20年後の脳を認知症から守るために。「50歳を過ぎたら、白い色の主食は食べない」

「親が認知症になってほしくない...」介護のことも考えて、そう思う人も多いでしょう。東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生は「認知症は予防できる病気で、何もしないのはもったいない」と言います。そこで藤田先生の著書『親をボケさせないために、今できる方法』(扶桑社)より、食事と生活の中での「認知症の予防策」についてご紹介します。

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白い色の主食は脳細胞をゴミにする

血糖値スパイクを引き起こす食べ物は、お菓子類だけではありません。

白米やパン、うどん、ラーメン、パスタなどもあります。

これらには共通点があります。

それは「白い」あるいは「白っぽい」色をしていること。

これらは食物繊維をそぎ落としてしまった穀物なのです。

食物繊維が少ないぶん、胃腸での消化吸収が早く、血糖値を急激に上げ、インスリンを大量に分泌させる原因になります。

しかも、「糖化」を引き起こします。

糖化とは、糖質がタンパク質と結びつき、タンパク質を劣化させてしまう反応のことです。

そこから「AGE(Advanced GlycationEndproducts)」という悪玉物質が大量につくられます。

日本語では「終末糖化産物」と訳されますが、この物質も、脳にゴミタンパク質をため込ませる原因なのです。

「白米を食べなければ食事をした気にならない」と白い主食を毎日のように食べてしまうと、身体のタンパク質に糖質がどんどん結びついてきます。

もともときれいだったタンパク質が、砂糖をまぶしたようにベタベタとした状態になってしまうのです。

これがAGEです。

こうなると、もとのきれいなタンパク質にはもう戻せません。

しかも、組織にべったりと入り込み、なかなか排出されなくなります。

そうして、いたるところで老化を引き起こし、組織をボロボロにしていきます。

そのため、AGEがたまっていくことを「スローミイラ化現象」ともいうのです。

しかも、脳はAGEをつくりやすい臓器です。

脳の8割は水分とお話ししましたが、その水分を除いて考えると、脳の4割がタンパク質、6割が脂質でできているからです。

そこに、大量のブドウ糖が流れ込んでくると、脳に多く存在するタンパク質と結びつき、AGEとなってしまうのです。

実際、アルツハイマー病の発症にもAGEがかかわっていて、アルツハイマー病の脳に見られるシミには、大量のAGEが含まれているのです。

また、レビー小体型認知症の患者さんの脳にあるレビー小体にも、たくさんのAGEがたまっていることがわかっています。

50歳を過ぎたら、親もあなたも白い色の主食はとらない

私は以前、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和文庫)という本を書きました。

50歳を過ぎたら、エネルギーのつくり方を自分で意識して変えていくことが、健康長寿の秘訣であることをお話しした本です。

詳しく知りたい方は、こちらをお読みいただきたいのですが、私たちの身体は、簡単にいうと「解糖エンジン」と「ミトコンドリアエンジン」という2つのエネルギー産生システムを持っています。

人の体内では、この2つのエンジンを上手に働かせることで、必要なエネルギーをつくり出しています。

解糖エンジンは、ブドウ糖を燃料としてエネルギーをつくる産生系。

瞬発力はあるのですが、つくり出せるエネルギー量は少なく、持続力がありません。

いっぽうのミトコンドリアエンジンは、「ミトコンドリア」という小器官のなかで働くエネルギー産生系です。

ここでは、解糖エンジンから生じる「ピルビン酸」という物質をとり込んで、酸素を燃焼させて大量のエネルギーを生み出します。

ただし、ミトコンドリアエンジンにも弱点があります。

解糖エンジンがピルビン酸をつくってからでなければ動かないので、瞬発力がありません。

でも、持続力には非常に優れているエンジンです。

若いときには、解糖エンジンがよく動きます。

若い人の瞬発力ある動きは、このエンジンに支えられています。

ですから、若い世代の人が活動的に過ごすためには、解糖エンジンの燃料になるブドウ糖がある程度必要です。

しかし、人の身体は、50歳前後に大きく変わります。

細胞や臓器の老化、性ホルモンの分泌量の減少などが起こってくるのです。

それによって気力の減退や体調悪化など、更年期症状を起こすこともあります。

筋肉細胞や生殖機能も衰えていきます。

そうした老化しがちな心身を活動的に動かすには、燃費は悪いが瞬発力をつくる解糖エンジンではなく、燃費がよく持続力に優れたミトコンドリアエンジンに主体を切りかえていったほうが、健康かつ意欲的であり続けられるのです。

つまり、元気に長生きするためには、50歳を過ぎたらミトコンドリアエンジンを中心に働かせる食生活が重要です。

そのためには、多量のブドウ糖を使う解糖エンジンの働きを抑える必要があります。

ミトコンドリアエンジンは、解糖エンジンが動きすぎると、働きを滞らせやすいからです。

しかも、仕事のなくなったミトコンドリアは、数を減らします。

こうなると、エネルギーの産生効率が大幅に落ちてしまうのです。

そこで必要になるのが、ご飯などの白い色の主食中心の食事を改めることなのです。

50歳を過ぎたら、白い色の主食をとるのをやめることが、20年後の脳を守ります。

親が主食を一日3食とり続けて今日まできたのだとしたら、これ以上のミトコンドリアの減少と脳細胞の糖化を抑えるために、主食をとるのをやめてもらうことです。

【まとめ読み】『親をボケさせないために、今できる方法』記事リスト

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高齢の親の認知症を予防する「具体的な59の方法」が、4章にわたって解説されています

 

藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)
1939年、旧満州生まれ。東京医科歯科大学名誉教授。2000年、ヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。『笑うカイチュウ』(講談社)、『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』(ワニブックス)、『デブ菌撃退! つくりおきレシピ』(扶桑社)など著書多数。

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『親をボケさせないために、今できる方法』

(藤田紘一郎/扶桑社)

「70歳を過ぎたら、食生活は変える!」自身も80歳を超えて不調に見舞われた著者が、自身の経験と医学的見地から「朝食を抜く」「週2回、肉を食べる」などをわかりやすく解説。子供の目線から「親への伝え方」まで配慮された、アラフィフ女性にぜひ読んでもらいたい一冊です。

※この記事は『親をボケさせないために、今できる方法』(藤田紘一郎/扶桑社)からの抜粋です。

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