間違った「爪の切り方」していませんか? 医師が勧める「足のセルフケア」

ハイヒールを履くと、足が靴に当たって痛いといったことが起こりがちですよね。ハイヒールに限らず、新しい靴や久しぶりに履いた靴が足に合わないと、歩いているうちに激痛に見舞われることもあるでしょう。そんな足のトラブルで、女性に最も多いのが外反母趾です。そこで、埼玉県済生会川口総合病院の高山かおる先生に、外反母趾や爪の変形を予防する「セルフケア」について教えていただきました。

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まずはセルフケアで〝あしラブ習慣〟

私たちは、自分で思っている以上に足を酷使しています。

歩く、靴を履くのは毎日のこと。

そのやり方が正しくないと、毎日少しずつ足に負担がかかります。

ご自身の足をチェックして、外反母趾や爪の変形などの異変を発見したら、まずはセルフケアを考えてみましょう。

「一般的に多くの方は、足をケアする習慣を持っていません。毎日歯を磨くことは、子どもの頃から教えられても、足をケアすることについての教育は行われていないのです。だからこそ、ご自身の足の異変に気付きにくいともいえます」と高山先生は警鐘を鳴らします。

ありがちなのは、入浴時に足はサッとお湯をかけるだけ。

爪の切り方も自己流といったことは、珍しいことではないでしょう。

足のケア方法を正すことが大切です。

足をしっかり洗ってタオルで拭き、保湿を行うなどきちんと足のケアをすると、外反母趾以外のウオノメやタコ、靴に当たって痛む場所など、異変も発見しやすくなります。

また、正しく爪を切ることで、巻き爪などのトラブルを予防できます。

「巻き爪の患者さんの中には、『親も巻き爪だったから体質で仕方がないと諦めていた』という方もいます。でも、足のケアを毎日行うことで、変形を悪化させないようにできるのです」

セルフチェックで外反母趾が見つかっても、諦める必要は全くありません。

正しいセルフケアを継続すると同時に、足の変形や予防には下のストレッチも役立ちます。

また、自分に合った靴選びも大切といえます。

どのような靴が合うのか、靴専門店などで相談しましょう。

「正しい足のケア習慣を『あしラブ習慣』と称し、私たちは広めています。ご自身での足のケア、足を守るための靴選びなど、ぜひ『あしラブ習慣』を身につけていただきたいと思います」と高山先生。

きれいな自分の足を取り戻して、美にも健康にも役立てましょう。

あなたの爪切り、正しいですか?

●正しい切り方

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【スクエアカット】
指の先端と同じ程度の長さで、横一直線に爪が四角くなるように切ります。両端の角は少し丸めるように切って整えます。

●間違った切り方

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【バイアスカット】
爪の両端を大きく斜めに切った状態で、爪の繊維に対して大きく斜めに切ることで爪が巻きやすく、巻き爪を起こしやすくなります。

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【深爪】
指の先端よりも爪を短く切り過ぎた状態です。歩いたときに地面からかかる力に爪が負けて、陥入爪などを起こしやすくなります。

主な爪のトラブル

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巻き爪
爪の端が巻いてアルファベットの「C」のように内側に巻き込んだり、ホチキスの針のように直角に折れ曲がったりする。

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陥入爪
爪が皮膚に食い込んで炎症を起こしている状態。陥入爪は、爪を切るときの深爪でも起こしやすくなる。

このほかに、爪が厚く盛り上がった肥厚爪、爪白癬(爪の水虫)などもあります。

外反母趾の予防と治療のために基本はセルフケアです!

①きれいに足を洗うこと
歯ブラシを使って、爪の周りもきれいに洗浄します。

②しっかり水分を拭き取ること
拭き残しに注意してください。

③足を保湿すること
爪も十分に保湿してください。

④爪を正しく切ること
四角に切るのがポイントです。

⑤正しい歩き方や姿勢を身につけること
かかとで着地して足の親指で後ろに蹴るように歩きます。こうすると足に負担をかけずに歩くことができます。

⑥自分に合った靴を選ぶこと
インソールや足の健康に配慮した履き心地の良い靴をもっと活用してください。

※セルフケアでの対処が難しいときには、フットケアサロンに相談すると良いでしょう。治療が必要な場合には、皮膚科または整形外科へ。

足の向きを正しくする「ゆるゆる屈伸」

ひざの筋肉をゆるめて足の向きを正し、足への正しい重心のかけ方が身につきます。

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①足を肩幅に開き、つま先とひざを同じ方向に向けて立つ

②肩の力を抜き、脚の筋肉をゆるめて、ひざをつま先の方向に向けたまま、フーッと息を吐きながら腰を落とす。ひざがつま先よりも前に出ないように注意

③息を吸いながらひざを伸ばす

※これをリズミカルに繰り返しましょう。1日1回、2~3分行う

足指をもんで緊張をほぐす「足指ストレッチ」

靴の中に押し込められて緊張している、指先の筋肉や腱をリラックスさせます。

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①爪の生え際をつまみながら、指先を刺激する間違った「爪の切り方」していませんか? 医師が勧める「足のセルフケア」 2009_P089_03.jpg

②指を1本ずつ、足裏側の指の根元から先に向かって押す間違った「爪の切り方」していませんか? 医師が勧める「足のセルフケア」 2009_P089_04.jpg

③足の親指(第1指)と人さし指(第2指)をそれぞれつまんで、指の間を広げて、指を前後に動かす。同様に、第2指と第3指、第3指と第4指、第4指と第5指も動かす。間違った「爪の切り方」していませんか? 医師が勧める「足のセルフケア」 2009_P089_05.jpg

④足の指の間に、足裏側から1本ずつ手の指を互い違いに入れる。手の指をギュッと握りしめて、足指を大きく回す。

※いずれも両足ともに行いましょう。

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取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

<教えてくれた人>
埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科 主任部長
高山かおる(たかやま・かおる)先生
1995年山形大学医学部卒。東京医科歯科大学医学系研究科博士課程修了。東京医科歯科大学大学院皮膚科学特任准教授。皮膚科フットケア外来を開設している。

この記事は『毎日が発見』2020年9月号に掲載の情報です。

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