「最近、躓きやすくなったなぁ...」なんてショックを受ける前に、躓かないような体を作りませんか?「体操すれば健康は維持できる」と言う医師・中村格子さんの著書『カラダのおくすり体操』(ワニブックス)から、できない動作ができるようになる「機能的なカラダ」をつくるエクササイズを一部抜粋してお届けします。
「もれない力」をつける
中高年以降の人に多いのが"尿もれ"の悩みです。
トイレに行くまでに我慢できずにもれてしまったり、咳やくしゃみをした瞬間にもれてしまったりと、思いがけないタイミングで尿がもれてしまうのです。
尿もれがあると、外出するのが不安になったり、旅行にも行きづらくなってしまったりと、生活の質が下がってしまいます。
最近は、尿もれ用のパッドなども出ていますが、できれば自分の力で、予防・改善したいものですよね。
尿もれが起きる大きな原因は、骨盤底筋の衰えです。
骨盤底筋とは、骨盤の一番下にあるハンモック状の筋肉で、膀胱や尿道、子宮などの臓器を下から支える役割があります。
でも、骨盤底筋は、加齢や普段の姿勢の悪さなどが原因で衰えてしまいますし、出産で筋肉や靭帯が伸ばされると、その後、緩くなってしまうことがあります。
骨盤底筋が弱くなると、尿を止めておくための筋肉も衰えてしまうため、尿がもれやすくなるのです。
また、骨盤底筋は、呼吸をするときに、横隔膜やお腹の深部にある腹横筋などの筋肉と同時に動くので、深くゆったりした呼吸をすることでも鍛えることができます。
ですから、もれない力をつけるポイントは、しっかりと基本の呼吸を行い、骨盤底筋を鍛えることです。
女性なら膣を引き上げるように締めることで鍛えられますし、男性は肛門の前あたりを陰嚢(いんのう)に近づけるように締めることで鍛えられます。
「もれない力」をつけるおくすり体操<レベル1>「骨盤スイング」
呼吸をしながら骨盤を前後にスイングさせることで、横隔膜やお腹の深部の腹横筋、骨盤底筋が連動して鍛えられ、尿もれ防止に。
① 足を肩幅程度に開いて軽くひざを曲げて立ち、両手を腰に当てます。息を吸って、吐きながら骨盤を前に振ります。
② 次に、息を吸って、吐きながら骨盤を後ろに振ります。上体は動かさず、骨盤だけを動かしましょう。この骨盤の前後スイングを5回。
※レベル2以降のおくすり体操は、書籍内で紹介されています
【最初から読む】スポーツドクターが教える「機能的なカラダ」とは?
健康維持のためにオススメの10の体操が解説されています。自分の体の弱点が分かるチェックシートも