「最近、躓きやすくなったなぁ...」なんてショックを受ける前に、躓かないような体を作りませんか?「体操すれば健康は維持できる」と言う医師・中村格子さんの著書『カラダのおくすり体操』(ワニブックス)から、できない動作ができるようになる「機能的なカラダ」をつくるエクササイズを一部抜粋してお届けします。
腕を上げられる力
腕を上げるというのも、とてもシンプルな動きのようですが、これも年齢を重ねるにつれ、意外とできなくなってくるものです。
腕を上げる力が衰えてくると、網棚に荷物を上げられなくなったり、洗濯物を物干し竿に干す動きがつらくなったり、天袋に物がしまえなくなったりといったトラブルが起きてきます。
腕を上げようとすると、引っかかりを感じたり、痛みが生じてしまうのです。
なぜこうなってしまうかというと、腕を正しく動かせていないからです。
そもそも腕は、肩甲骨から出ていますので、背中の中心に近い部分から動かせていると痛みにくいのですが、おもちゃの兵隊のように腕から先だけを動かしていると可動域が狭くなってしまいます。
また、普段から猫背姿勢になっていると、肩が前側に入る「前肩」になり、肩関節がずれてしまいます。
すると、肩関節のクッションの役割をしている組織が常に摩擦を受け、それが続くと炎症を起こします。
こうして起きるのが四十肩や五十肩で、腕を上げようとすると痛みが走るようになります。
ですから腕を上げる力を取り戻すには、腕が背骨の中心から出ているようなイメージで肩甲骨から腕を大きく動かす体操をして、可動域を広げることです。
また、体幹が固定できないと腕は上げられませんし、腕の筋肉が落ちていても腕を上げにくくなるので、これらの筋肉をつけることも必要です。
腕を前後に振る動きから始めて、徐々に可動域を広げましょう。
腕がスムーズに上がると生活もぐっとラクになりますよね。
「歩ける力」をつけるおくすり体操<レベル1>「腕振り」
腕を前後に振る体操。
肩甲骨から腕を振ることで硬くなっている肩甲骨周りの筋肉を柔軟にして、腕の動きをよくします。
① 右脚を前にして脚を前後に開き、上体を倒して右手を右の太ももに置き、左腕を肩の高さくらいに上げて伸ばします。
② そのまま腕を後ろに振ります。次に再び前に振ります。この腕の前後振りの動きを5回。反対側も同様に。
※レベル2以降のおくすり体操は、書籍内で紹介されています
【最初から読む】スポーツドクターが教える「機能的なカラダ」とは?
健康維持のためにオススメの10の体操が解説されています。自分の体の弱点が分かるチェックシートも