「死ぬまで好きなものを食べ続けたい!」なら、鍛えるべきは「口の中」。そこで、丈夫な歯と歯ぐきを維持できるトレーニングを考案した歯科医師・新谷悟さんの著書『歯と歯ぐきを強くする 噛みトレ』(アスコム)から、「口と歯を守る」ためのヒントをご紹介します。
実は予備軍が1900万人?
食事のとき、噛むのに疲れていませんか?
口を開いたり閉じたりすると、カクカク音が鳴りませんか?
無意識に歯ぎしりや食いしばりをしていませんか?
口が開けづらい、あごが痛いということはありませんか?
ひとつでも「はい」と答えた人は、顎関節症の可能性があります。
顎関節症の代表的な症状は、あごが痛くなる(顎関節痛・咀嚼筋痛)、口が開かない(開口障害)、あごを動かすと音がする(顎関節雑音)。
顎関節症が悪化すると、わずか25ミリしか口が開かなくなります。
25ミリがどれくらいか説明すると、だいたい握り寿司の高さになります。
つまり、ネタとシャリを分けないと食べられないということです。
ハンバーガーも、すべて分解しないと食べられません。
そんなの自分は関係ないという方もいらっしゃるかもしれませんが、NHKの「ためしてガッテン」(2019年6月12日放送)では、顎関節症の予備軍が、推定1900万人はいるのではといっていました。
顎関節症の初期段階かどうかは、自分でチェックできます。
まず鏡の前に背筋を伸ばして立ち、人さし指を耳のつけ根、こめかみの下あたりにあるくぼみに当てます。
そのまま口を「い」と発声する形にして歯が見えたら、ゆっくりと口を開けていきます。
まっすぐ開いていけば大丈夫。
ガクッとしたり、カチッという音が鳴ったり、くぼみに当てた左右の指先に伝わる振動に違いがあれば、注意が必要です。
口がしっかり開くかどうかでもチェックできます。
無理のない範囲で大きく口を開き、人さし指と中指を縦にして入れてみてください。
上下の歯の間に余裕をもって入れば、開き具合は正常です。
入らなかったり、余裕がなかったりすると要注意。
正常な人であれば、薬指を加えて3本入ります。
顎関節症の原因はまだはっきりとはわかっていませんが、噛み合わせが悪かったり、歯ぎしりや食いしばりのくせがあったり、片側だけで噛むくせがあったりなど、さまざまな要因が組み合わさることで発症するのではないかと考えられています。
歯ぎしりや食いしばり、偏った食べ方などは、口やあご周りの筋肉がこりかたまっていることも原因のひとつです。
口が開けられないのも、実は顎関節症ではなく、筋肉が極度にこってしまっているからかもしれません。
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