運動後に腰痛や足のしびれが生じることも。「腰痛分離症・すべり症」の基礎知識

私たちは日常生活で姿勢が悪くなると、腰に負担がかかりやすくなります。

腰やお尻に痛みがあったり、足にしびれがある人は、「腰椎分離症」「腰椎すべり症」かもしれません。
今回は、分離症・すべり症に詳しい、さかいクリニックグループ代表の酒井慎太郎先生に、「腰椎分離症やすべり症」の原因について教えていただきました。

腰椎の並びが悪くなり神経を圧迫する

「『腰椎分離症』は、若い頃に腰を反らすバレーボールやバドミントンなどのスポーツをしたことが、原因の一つだといわれています」。(酒井先生)
主に第5腰椎が疲労骨折して分離します 。
腰を反らしたときに痛みを感じることがありますが、日常生活に支障が出ることは少なく、痛みを感じない人もいます。
ただし、「腰椎分離症」から「腰椎すべり症」に進行することがあるので注意が必要です。
「『腰椎すべり症』は、分離した腰椎の安定性が加齢とともに悪くなり、ずれが生じることなどで起こることがあります」と酒井先生。

「腰椎すべり症」になると、長時間立ち続けたときや、運動した後などに、腰痛や足のしびれなどが生じます。

腰椎の一部が分離してずれることで起こります

「腰椎分離症」の骨の状態

運動後に腰痛や足のしびれが生じることも。「腰痛分離症・すべり症」の基礎知識 2002p061_02.jpg

腰椎の背中側の突起部分が疲労骨折を起こして分離する。
第5腰椎で発生することが多い。
痛みがなく分離に気が付かないこともある。

「腰椎すべり症」の骨の状態

運動後に腰痛や足のしびれが生じることも。「腰痛分離症・すべり症」の基礎知識 2002p061_03.jpg

分離が起きた腰椎は不安定で、前方にすべって位置がずれやすい。
第5腰椎がすべると、すぐ下の仙骨との間にずれが生じる。

背骨の構造と動き

運動後に腰痛や足のしびれが生じることも。「腰痛分離症・すべり症」の基礎知識 2002p061_01.jpg椎間板

背骨と背骨の間の軟骨で、クッションの役割をする。

腰椎

背骨の下部にある5つの骨。
中を神経が通っている。

腸骨

仙骨の両側に1つずつあり骨盤を形成している。

仙骨

腰椎の下にある逆三角形の骨で、背骨を支えている。

尾骨

仙骨の下部の先端にあり、尖った形をしている。

構成・取材・文/松澤ゆかり イラスト/やまだやすこ

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<教えてくれた人>

さかいクリニック
グループ代表
酒井慎太郎先生(さかい・しんたろう)先生

さかいクリニックグループ代表。千葉ロッテマリーンズ公式メディカルアドバイザー。
柔道整復師。著書は「分離症・すべり症は自分で治せる!」(Gakken)など多数。

この記事は『毎日が発見』2020年2月号に掲載の情報です。

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