昔は少し無理してもへっちゃらだったのに、最近、体のあちこちがギシギシする・・・。その悩み、体の内側にある筋肉「深層筋」を鍛えれば、短期間でもセルフケアができるそうです。そこで、6万人以上を治療してきた整体のプロ・片平悦子さんの著書『1日90秒でよみがえる! ガチガチの体がスーッと楽になる 深層筋ストレッチ』(あさ出版)から、わずかな時間で体調やプロポーションを維持できるストレッチ法を連載形式でお届け。病院や整体に行く前に、まずはトライしてみては?
ゆがみ解消は体のクセを意識することから
まず皆さんに知っておいてほしいことがあります。
それは、私たちの体が日常生活でゆがみやすいということ。
このことを自覚せずにストレッチをしたところで、ゆがみはなくなりません。
気づけば、無意識に体がゆがむポーズを取っています。
「パソコンをしていて背中が丸まっていた」
「いつも脚を組んで座っていた」
「肩肘をついて横になっていた」
このような姿勢のクセがあると、いつまでも体のゆがみが抜けません。
ダイエットのリバウンドと同様、すぐに元の状態に戻ります。
ゆがみを解消したければ、まずは姿勢のクセをきちんと意識すること。
ストレッチで深層筋を鍛えるのと同時に、普段から意識して姿勢を正しておくことがゆがみ解消の近道なのです。
体のゆがみ、「3つの要因」とは?
では、体がゆがんでしまう3つの要因を押さえておきましょう。
1.運動やスポーツ、事故によるケガ
2.間違いだらけの筋トレ
3.日々の生活習慣
1は完治せずに、無理して動くことが原因です。
ジョギング中にふくらはぎを痛めた、衝突事故でむち打ちになったなど、痛めたにもかかわらず、完治する前に動いてしまうと、筋肉や筋膜の収縮が悪くなり、結果、ゆがみが生じます。
2は学校の部活動にありがちで、筋肉の成長具合やつき方を考えず、がむしゃらに筋トレをしてしまうことが原因です。
筋膜がよじれていたり、癒着していたりすると、筋肉はうまく伸び縮みできません。
3は脚を組む、背中を丸めて座るなど、日々の生活習慣が原因です。
本人が自覚しないまま、いつものクセで同じ姿勢を取ってしまい、体をゆがませます。
現代人はこの3つをきっかけに、体のあちこちがゆがんでしまうのです。
痛みやむくみなどの自覚症状がなくても、「ブラの肩ひもが落ちてくる」「歩くうちにスカートが回ってしまう」という方は、肩や骨盤など、体のどこかがゆがんでいる状態といえるのです。
産後の骨盤ゆがみもきちんとケア!
女性には、体がゆがみやすいもう1つ別の要因があります。それが出産です。
妊娠し、胎児が大きくなると骨盤は自然と開き、産後ケアをしていなければ、骨盤がゆがんで、体型が崩れる原因となります。
出産後の女性で、腰痛を訴える人が多いのも、骨盤が前後左右に傾いているため。
とくに妊婦さんはお腹が大きくなると、どうしても腰が反った状態になりがちです。
長時間、赤ちゃんを抱っこしていると、同じ姿勢が長く続くため、骨盤が前傾にゆがむ「反り腰」の状態になってしまいます。
反対に、骨盤が後傾にゆがんでしまうのを「腰曲がり(腰猫背)」といいます。
いずれも腰痛の原因になりやすく、女性に多い傾向があるのですが、こうした骨盤のゆがみも、深層筋ストレッチできちんと解消することができます。
イラスト/中山成子
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ストレッチ方法は写真でわかりやすく解説。肩と腰の2カ所を「起立・着席・仰向け」の3パターンで教えてくれるから、自分の楽な姿勢でできるのもうれしいです