糖尿病の予防に知っておきたい「運動すると血糖値が下がる仕組み」

冬になると外出が減りがちです。
暖房の効いたお家で糖質の多い食事を摂り、運動しない生活では、体に脂肪がつき糖尿病の原因に。
糖尿病を予防・改善するには食事を見直すことが必要です。
長年、糖尿病の治療を行っている栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅先生に、薬に頼らずに筋肉をつけて、血糖値とヘモグロビンA1cを下げる体操についてお聞きました。

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筋肉をつけて血糖値とヘモグロビンA1cを低下

糖尿病の予防、改善には体操も重要です。「体操をすると霜降り筋肉である脂肪筋が燃焼し、筋肉も鍛えられて筋肉量が増えます。それにより筋肉が血液から取り込むブドウ糖が増え、血糖値が下がります」と栗原先生。

運動すると血糖値が下がるしくみ

運動する
 ↓
筋肉が増える
 ↓
脂肪筋の脂肪が燃焼する
 ↓
筋肉が血糖を取り込みエネルギーに変える
 ↓
血糖値が下がる

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筋肉を増やすと血糖値を下げられる

筋肉を増やすにはたんぱく質が必要なので、体操と並行して肉や卵などを摂るようにします。
体内でたんぱく質が足りているかどうかの指標が血液中のたんぱく質「アルブミン」の値です。
アルブミン値が高いと健康状態が良く、長生きであることが分かっています。

体操では、大きな筋肉を鍛えた方が血糖値を下げやすいです。
次回の記事で紹介する栗原先生おすすめのスクワットを行いましょう。

短い時間でできて間違いなく効果が出ます。

アルブミン値で体の状態が変わる

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アルブミン値が高い人は長生きできる

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出典:Age and Aging,1991:20,H.Shibata et al. を基に作成

※アルブミンの値は血液検査で調べます。内科や消化器内科、糖尿病内科などのある医療機関、人間ドックなどで検査できます。

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「運動して筋肉をつけましょう」と栗原先生。

取材・文/松澤ゆかり

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<教えてくれた人>

栗原毅(くりはら・たけし) 先生

医学博士、栗原クリニック東京・日本橋院長。東京女子医科大学教授、慶應義塾大学教授などを経て現職。著書は『名医が教える「本当に正しい糖尿病の治し方」』(エクスナレッジ)など多数。

この記事は『毎日が発見』2020年1月号に掲載の情報です。

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