「粗食が大切」という意識がフレイルにつながる?「粗食の危険性」とは

ネスレ ヘルスサイエンス カンパニーは「後期高齢者(75歳以上)の食と健康に関する実態調査」を実施。その結果、75 歳以上の多くが必要な食事量を摂れていないことが分かりました。「粗食が大切」という認識の浸透が要因にあると考えられます。そこで、一般社団法人 WAVES Japan 理事長で藤田医科大学医学部 外科・緩和医療学講座主任教授の東口髙志先生にお話を伺いました。

pixta_46328737_S.jpg「粗食は大切」の意識がフレイルの危険性に!

ネスレ ヘルスサイエンス カンパニーのアンケート調査で、75歳以上の多くが「健康のために」と食事量を減らし、十分な栄養が摂れていない実態が浮かび上がりました。

また、2人に1人以上の割合でフレイル(健常から要介護へ移行する中間の段階で、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態)の疑いがあることも分かりました。

また、フレイルの疑いがある人は疑いのない人に比べて、食をめぐる悩みを持つ割合が約1.5倍に上ることも判明。

具体的には「メニューを考えるのが面倒」「特定の食材ばかり食べてしまう」など食事の準備のわずらわしさのほか、「運動量が減って空腹を感じにくくなった」との声も多く、身体的な問題もうかがわせます。

「過度のやせや高齢者の低栄養は生活の質を低下させ、要介護度を増し、疾病からの回復遅延、さらには寿命の短縮につながってしまいます」と警鐘を鳴らすのは、東口髙志先生。

70歳以上で、「BMI※が20未満」「6カ月以内に体重が5%以上減少した」「横断歩道が一度に渡れない」「転倒しやすい」などに該当する人は、低栄養の可能性があります。

※BMIは体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数。体重(kg) ÷ 身長(m)の2乗で計算

「過度のやせや低栄養を防ぐためには、食事は1日3回が原則。その上で、糖質、脂質、たんぱく質の3大栄養素をバランスよく摂ることが大切です。たんぱく質は、牛肉、豚肉、鶏肉いずれでもよいので、できれば毎日摂ってください。特に、赤身肉にはグルタミンが多く含まれており、骨格筋の筋力アップに役立ちます。さばやいわしなどの青魚は、たんぱく質だけでなく、免疫力をアップさせるn3系脂肪酸も多く含んでいておすすめです」(東口先生)。

しっかり栄養を摂ることで低栄養やフレイルを防ぎ、いつまでも元気な体を保ちましょう。

75歳以上の人について、現在の食事量・内容で十分な栄養を摂れていると思いますか

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※75歳以上の男女(高齢者)500人、75歳以上の同居家族を介護・支援する男女(介護・支援者)
500人、管理栄養士200人の合計1200人の回答により作成。

健康のために粗食が大切だと思いますか

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※出典/ネスレ ヘルスサイエンス カンパニーのインターネット調査、2019年6月

取材・文/笑(寳田真由美) 

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<教えてくれた人>

東口髙志(ひがしぐち・たかし)先生

藤田医科大学医学部 外科・緩和医療学講座主任教授。1981年三重大学医学部卒業。一般社団法人日本静脈経腸栄養学会 理事長、一般社団法人 WAVES Japan 理事長 。専門は、外科、代謝・栄養学、緩和医療など。

この記事は『毎日が発見』2019年12月号に掲載の情報です。

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