いつも何時間寝ていますか?ストレス解消に「1時間長く寝る」スゴイ効果

仕事に家事にと頑張って、倒れるように眠る毎日。朝起きると疲れは取れていないし、集中力もすぐ切れてしまう...。それ、全て「眠り方」に問題があるかもしれません。そこで、メンタルヘルスと睡眠の専門家・和田隆さんの著書『仕事のストレスをなくす睡眠の教科書』(方丈社)から、心身ともに健康を保つための「ストレス解消睡眠法」について連載形式でお届けします。

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平均睡眠時間を1時間長くしただけで体調は劇変する

OECDの調査(2016年)で睡眠時間の長さを比較すると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と加盟国中最下位です。7時間22分というと、「けっこう寝ているじゃないか」と思う人がいるかもしれません。

しかし、OECD加盟国の平均睡眠時間は8時間25分と日本より1時間以上も長いのです。日本人の睡眠時間は1960年代と比較して1時間も短くなりましたが、この「1時間長く眠るかどうか」は、健康に大きな影響を与えます。

私は今年満50歳になります。今は健康ですが、30代のころは、いつも体調の悪さに悩まされていました。何度も入院しましたし、しょっちゅう風邪をひいていました。そんな状態だったので、仕事のパフォーマンスが高いわけがありません。

ところが、20年後の現在の私はどうかというと、風邪ひとつひかず、まったくの病気知らず。その頃と今とどこが違うのかというと、平均睡眠時間が1時間長くなったということだけです。あえてもうひとつ付け加えれば、平日と土日の睡眠時間のギャップがなくなったことぐらいです。毎日、平日土日関係なく、同じ時間に寝て同じ時間に起きています。

以前は、平日の睡眠時間が極端に短く、週末に長く寝て一気にそれを取り戻すというパターンを繰り返していました。最近流行の言い方をすれば、平日は睡眠負債を蓄積させて、週末に一気に返済しようとしていたわけです。

しかし、これは社会的な時差ぼけを起こし、体調悪化の大きな要因になります。

平日土日関係なく毎日同じ過ごし方を続け、平均睡眠時間を以前よりも1時間長くした。これだけで劇的に体調が回復し、健康を取り戻したのです。

ストレスマネジメントとはスリープマネジメントである

企業の相談室で私のところを訪れる人は、会社のこと家庭のことなど、いろいろな悩みを抱えています。ここ数年目立って多くなってきているのが睡眠に関する相談です。

中でも「眠りたいけれども眠れない」という不眠を訴える人が多く、その原因は人間関係などのストレスからきているケースが圧倒的です。

カウンセリングを受ける時には「人間関係の悩み」で私を訪ねてくるのですが、詳しく話を聞いていると、実は眠れていないという人がほとんどなのです。

企業規模、業種を問わずこういうケースが実に多く、ストレスと不眠は相関しており、とりわけ人間関係のストレスが眠りを妨げている場合が少なくありません。

いま睡眠の専門医が書いた、いわゆる「睡眠本」がたくさん出ています。睡眠の仕組みや睡眠の質を高める方法については詳しく書かれていますが、残念ながら、眠りを妨げている原因であるストレスや感情にどう対処したらいいかについてはほとんど言及されていません。

つまり、そういう本を読んだ人は、睡眠に関する多くの情報を持っていながら、眠りを妨げている原因であるストレスや感情に対処する情報はほとんど持っていないのです。

どうすれば眠れるかは知的には理解していても、その原因であるストレスの対処法については情報がない、あるいは対処行動をとらないため、結局睡眠を改善できないでいるというわけです。

医師は眠りのことだけ書き、カウンセラーはストレスマネジメントのことだけを書く。ストレスマネジメントの本とスリープマネジメントの本が一体化していないのが現実ですが、実はこれが一体化していないと実効性は期待できません。

2015年(平成27年)にNHK放送文化研究所が行った「国民生活時間調査」によると、日本人の平均睡眠時間は7時間15分(平日)、1960年よりも1時間以上減っています。この50数年の間、ずっと睡眠時間を削り続けている中で日本人の3人に1人が何かしら睡眠に問題を抱えているとも言われています。

ストレス社会と言われる中、睡眠不足あるいは不眠が最大のストレスになっているという現実があります。

私はメンタルヘルスを支援する立場として、働く人を対象に講演やセミナーで話すことが多いのですが、その時、

「ストレスマネジメントとはスリープマネジメントのことである」
と、よく話します。

ストレスマネジメントにはさまざまなアプローチがありますが、睡眠をマネジメントすることなしにストレスをマネジメントすることはできない。別の言い方をすれば、よい睡眠をとれば、睡眠中にストレスをコントロールすることができるのです。

つまり、自分に合った睡眠が最も効果的なストレス解消法であり、自分に合った快適な睡眠習慣を作り上げることが最強のストレス対策なのです。

眠り方を変えてストレス解消!「睡眠の教科書」記事リストはこちら!

048-suimin-syoei.jpgストレスと睡眠の仕組みを完全解説。自分のストレスを「見える化」できるチェック表も付いていて、すぐに対策も

 

和田 隆(わだ・たかし)

メンタルプラス株式会社代表取締役、ウェルリンク株式会社シニアコンサルタント。メンタルヘルスやハラスメント防止の専門家として活動する傍、これまで1500回以上の講演、研修を実施。受講者数は10万人以上。近年では睡眠と健康に関する知識や正しい睡眠の実践、継続を習慣化する睡眠マネジメントを推進している。

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『仕事のストレスをなくす睡眠の教科書』

(和田 隆/方丈社)

「疲れが取れない」「やる気がでない」「眠れない」という方に朗報!それら全てを引き起こすストレスと不眠のメカニズムや、健康を取り戻すための正しい睡眠実践法が図解でわかりやすく学べます。チェック表を使えば快眠習慣の自己管理も!

※この記事は『仕事のストレスをなくす睡眠の教科書』(和田隆/方丈社)からの抜粋です。
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