<この体験記を書いた人>
ペンネーム:こみく母
性別:女
年齢:59
プロフィール:一男一女に恵まれ、子育てもひと段落。夫婦水入らずの時間、ひとりの時間、友人との時間を楽しんでいます。
私には、学生時代から仲良くしている友人がいます。もともと家が近いことで仲良くなり、青春時代を一緒に過ごしました。その後、お互いに別々の進路を選び、会うことも少なくなっていきましたが、電話や年賀状などで関係は続いています。
私は結婚を機に仕事を辞め、子宝にも恵まれました。そんな子どもたちも大きくなり、自由な時間が増えた数年前のことです。久しぶりに彼女から電話がかかってきました。彼女も結婚し、私が住む地域の近くに引っ越してきていたのです。私はさっそく会う約束をしました。
彼女は昔と変わらず若々しい雰囲気で、素敵な女性になっていました。お互いの近況報告をし終えた頃、彼女は趣味について話し始めました。もう何年も前からスピリチュアルな世界観や風水にハマっているそうなのです。彼女は定期的にお気に入りのパワースポットに通って力をもらっていると言いました。毎日太陽の光に感謝したり、道端の植物と向き合ってみると知らなかった世界が見えると教えてくれました。さっそく彼女の考えを取り入れてみた私。確かに意識を別のものに向けて毎日を過ごすことは新鮮で、不満を抱えて暗い気持ちになっているよりも小さな幸せを見つけて感謝することは気持ちの良いものでした。
それからも彼女の前向きな考え方や自然と向き合う姿勢に共感していました。徐々に会う頻度も増え、お互いの家を行き来するようになりました。しかし、ここでモヤモヤしてしまう出来事が起こるのです。
彼女が私の家に来たとき、「家具の配置がおかしい」、「悪い運気が滞っている」、「家の間取りも最悪」など家のことをけなし始めたのです。彼女のダメ出しは止まりません。しかし彼女に悪気は全く見えず、ダメ出しをしては改善点やアドバイスばかり話してきます。そして、それからは会うたびに家のレイアウトを変えたかなどしつこく聞いてくるようになりました。
私は、長年の友人である彼女を邪険にすることができず、悩んでいました。だからと言って、彼女のいう運気のために今まで家族と過ごしてきたこの家を丸ごと変えてしまうなんて考えられませんでした。彼女に会うのが怖くなってしまった私は、主人に相談をしました。
すると、主人は「自分が思っていることをそのまま言えばいい。今まで十分幸せに暮らしてきたことを話せばいい。それでもダメなら俺が家を変えることは許さないと言ってるって言えばいい」とアドバイスをくれました。モヤモヤが嘘のように消えました。友人だからこそ、気を遣わずに思うことを話せばいいんだ、と。
彼女に思ったことを全て話しました。初めは自分の意見を聞き入れない私の話を不機嫌そうに聞いていましたが、だんだんと私の意志がかたいことに気づいたようで静かに聞いていました。
その後、彼女と会う回数はめっきり減ってしまいました。以前のように電話やメールだけの関係に戻っています。しかし、私と彼女の距離感はこれが一番なんだと思います。今は、年に数回送られてくる彼女のパワースポット巡りの報告メールを楽しみに見ています。
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