年齢を重ねると「肩のコリ」や「筋肉のこわばり」がなかなか取れない――。そんなあなたの悩み、自分で簡単に解消できるかもしれません。多くのアスリートが信頼を寄せるスポーツトレーナー・のぐち径大さんの著書『ながら筋膜リリース』(あさ出版)から、筋肉をほぐす話題のストレッチ「筋膜リリース」のやり方を抜粋してお届け。家事をしながらでもできる実用的なメソッドを連載形式でご紹介します。
寝転んでテレビを見ながらお腹まわりをリリース
【ながらシチュエーション:テレビを見ているとき(1)】
筋肉の部位
・横隔膜(肺の真下)
・腹横筋・腹斜筋(お腹まわり)
ここに効く
・お腹まわりを引き締める
・声が出やすくなる
・便秘解消
・立ったときに安定感が出る
テレビを見るときの肘をついた寝転び姿勢も、筋膜リリースになります。 横向きの体勢から、お腹を床にくっつけるように傾き、脇をやや広げながらついた肘を遠くにスライドさせます。お腹がくっついたら深呼吸して、お腹をふくらませましょう。横隔膜やお腹まわりがリリースされます。
お腹まわりが硬くなってしまうと、立ったときに姿勢が安定しづらくなります。リリースして安定感を取り戻しましょう。
また、横隔膜は発声に影響します。プレゼンの前日などにこの筋膜リリースをしておくといいでしょう。声優や舞台俳優にもオススメです。
1.肘をついた姿勢で横になる
自然な体勢で、肘をついて横になりましょう。膝は少し曲げておきます。
2.お腹を下に向けながら床につける
肘を頭の上の方向にずらしつつ、お腹を床につけていきます。ついたら深呼吸してお腹を膨らませましょう。
3.右足を後ろに伸ばしてさらに負荷をかける
2の体勢のまま、下側の足を後ろに広げていくことで、さらに負荷がかかります。もう一度深呼吸をすることでさらにリリースされます。反対側も同様に行います。
リリースPONT:腕を枕にするのはNG
床にお腹をつけるときは肘は立てたまま頭の上のほうにずらしていきます。肘を枕のようにして頭の位置が低くなってしまうとリリース効果は得られないので注意しましょう。
ラグに寝転びながら脇腹と太ももをリリース
【ながらシチュエーション:テレビを見ているとき(2)】
筋肉の部位
・腹斜筋(脇腹)
・大腿四頭筋(前もも)
・内転筋群(太ももの内側)
ここに効く
・お腹まわりを引き締める
・腰痛予防・痛みの緩和
・骨盤のゆがみが直せる
・背中、肩こり予防・痛みの緩和
ラグやカーペットに寝転んでテレビを見る。そんなくつろぎタイムでは、少しだけ寝転び方を変えてみましょう。横座りをして、お腹を前に突き出すようにして後ろに反るだけ。これでお腹と前ももの筋膜リリースができます。どちらも肩や背中、骨盤周囲筋の張りや痛み、腰痛の原因になる場所です。寝転んでテレビを見ながらリリースしておけば、それらの予防になります。
よくある前ももを伸ばすストレッチをするイメージで行うとやりやすいでしょう。筋膜リリースの場合は、前ももを逆足のかかとで押さえることで力が相反され、効率よくリリースされます。
1.テレビを見ながら座る
顔をテレビに向けて身体を斜めにして、足を崩して座りましょう。顔はテレビのほうに向けます。
2.下腹部を突き出すようにして体を後ろに反らせる
右腕を後ろにつき、下腹部を突き出すようにして身体を反らせていきます。このときに右足のかかとで左ももの下のほうを止めると脇腹や、お腹、前ももに負荷がかかります。
3.おへそを天井に向け胸を開く
2の体勢のまま、おへそを天井に向けるように上を向いていきましょう。左膝がより曲がり、左前ももへの負荷が高まります。反対側も同様に行います。
リリースPOINT:内もものリリースの仕方
2、3のとき、左ももが戻ろうとするのを止めている右足のかかとで、左足の内ももを押してみましょう。左ももの角度が広がり、より内ももがリリースされます。
玄関で、スーパーで、テレビを見ながら!「ながら筋膜リリース」記事リストはこちら
普段の生活や仕事の中に取り入れられる58のメソッドが、3つのシーン別で解説。イラスト・写真付きですぐにできる!