年齢を重ねると「肩のコリ」や「筋肉のこわばり」がなかなか取れない――。そんなあなたの悩み、自分で簡単に解消できるかもしれません。多くのアスリートが信頼を寄せるスポーツトレーナー・のぐち径大さんの著書『ながら筋膜リリース』(あさ出版)から、筋肉をほぐす話題のストレッチ「筋膜リリース」のやり方を抜粋してお届け。家事をしながらでもできる実用的なメソッドを連載形式でご紹介します。
靴を履きながら脇腹・肩・背中をリリース
【ながらシチュエーション:靴を履く】
筋肉の部位
・ローテーターカフ(肩甲骨周囲)
・広背筋(背中)
・腹斜筋(脇腹)
ここに効く
・呼吸に関する筋肉をゆるめる効果がある
・肩こり、腰痛予防・痛みの緩和
・お腹まわりを引き締める
皆さんは靴を履くときにどんな姿勢を取っていますか。腰をかがめてかかとを入れたり、急いでいるときは立ったままつっかけたりすることもあるかもしれません。普段何気なく行っている、靴を履くという動作も立派な筋膜リリースになります。
身体を斜めにして靴の後ろに立ち、坐骨を後ろに引くようなイメージで前屈しましょう。肩・背中・脇腹の筋膜がリリースできます。
靴を履くたびに毎回やる必要はありません。外出時は何かと時間がないもの。時間があるときや、気がついたときに行えばOKです。
1.靴に対して斜めに立つ
靴に対し、つま先を斜め45 度にして立ちます。両手をまわして、腰をねじり、上半身を靴のほうに向けます。
2.左手で靴を取る
下半身は1の状態のまま、左手を伸ばして右足用の靴を取ります。このとき、坐骨を後ろに引きながら前屈しましょう。
3.リリース後は普通に靴を履いてOK
2で肩甲骨周囲や脇腹が伸びた感じがしたら、OK。普通に靴を履きましょう。時間と余力があれば、左側の靴も同様にチャレンジ!
リリースPONT:あえて靴を持ち上げて履くことでお尻にアプローチ
2の動作のあとに左の写真のように足と靴を持ち上げて履くのも◎。坐骨を後ろに引いた前屈姿勢を意識します。ヒップアップによる美尻効果があります。
玄関のドアを開けながら胸まわりをリリース
【ながらシチュエーション:ドアを開ける】
筋肉の部位
・小・大胸筋(胸)
ここに効く
・呼吸に関する筋肉をゆるめる効果がある
・心が穏やかになる
・肩こり、腰痛予防
・痛みの緩和
小・大胸筋は胸から肩につながる筋肉で、脇を閉じたり、腕を内側にひねったり、呼吸に関する筋肉を助けるなどの役目があります。この筋肉をうまく使えていないと猫背に見えたり、肩の張りや痛みの原因にもなります。そんな重要な筋肉なのに実は現代の生活において、小・大胸筋をダイナミックに使うような動作はなかなかありません。
だからこそ、普段よく行う動作で筋膜リリースをしてみましょう。ポイントはドアを手だけで引くのではなく肩甲骨から引くこと。心も身体もすっきりし、ドアを開けたときに笑顔で挨拶できます。
1.ドアの前に立ち取っ手を持つ
ドアの前に立ち、取っ手に手をかけます。
2.ドアを開ける
肩甲骨から引くようなイメージでドアを開けます。
3.胸を張るようにして中に入る
足を踏み出して中に入ります。ドアを後ろに引く力と、身体が前に進む力が引っ張り合って胸まわりがリリースされます。
リリースPOINT:頭から部屋に入らない
ドアを開けたときに、頭から部屋に入るのはNGです。胸をうまく開くことができないので小・大胸筋への効果的な筋膜リリースができなくなってしまいます。
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