年齢を重ねると「肩のコリ」や「筋肉のこわばり」がなかなか取れない――。そんなあなたの悩み、自分で簡単に解消できるかもしれません。多くのアスリートが信頼を寄せるスポーツトレーナー・のぐち径大さんの著書『ながら筋膜リリース』(あさ出版)から、筋肉をほぐす話題のストレッチ「筋膜リリース」のやり方を抜粋してお届け。家事をしながらでもできる実用的なメソッドを連載形式でご紹介します。
ながら筋膜リリースのココがスゴイ!
あらゆるシーンで筋膜リリースができる
「ながら筋膜リリース」は"日常生活や仕事のちょっとした動作・仕草をしながら筋膜リリースをしていく"というメソッドです。例えば、毎朝行っている着がえや歯みがき、さらに通勤時間など、筋膜リリースのタイミングは日常のどこにでも転がっています。
日常生活の"ここで筋膜リリースができるよ"というシチュエーション以外でも、できそうだなと思ったら、もちろん筋膜リリースしてOK。気になる部分があること自体、身体がリリースしたがっているということです。
そうやって筋膜リリースのタイミングにたくさん気づくことが、「身体をベストな状態に持っていこうとする人間の本能」ともいえます。
また「ながら筋膜リリース」は、制限がありません。やれるタイミングでやれるだけのことをやる。だから構えなくてもいいし「続けなければ」というプレッシャーもありません。
人間は本能で調整をする
背中がかゆいときに頭で考えず自然にかくのと同じように、人は自分の痛い所を無意識に治そうと調整を図ります。それが人間の持つ「本能」です。
ながら筋膜リリースをはじめる前の注意点
やりやすい時間・回数で行えばOK!
時間や回数の規定もありません。基本的には「やりやすい時間・回数で」行えば十分に効果が出てきます。
ポイントは自分が"伸びて気持ちいい"と感じること。気持ちよさを感じる時間や強さには個人差があります。自分の感覚を信じてください。行ったあとのだるさや重さは、動いていなかった筋膜が動き出した証拠です。
ただし、するどい痛みが続くようなら、時間・回数が過剰だった可能性があるので、調整が必要です。調整しても痛むようなら、方法を間違えて痛めた可能性もあるので、専門家に相談しましょう。
また、可能ならば1日のどこかのタイミングで、鏡を見ながら行いましょう。
鏡を見ると、人間は本能的に姿勢を整えようとします。身体の形や動きも客観的に見られるので筋膜リリースの効果も高まります。
強制的にやらない
1日にこれだけやらなければいけない。そういう風に考えると気持ちが萎え、続かなくなりがちです。やりやすい時間・回数で行えばOKです。
[はじめる前の注意点]
1.時間や回数を気にしない
「ながら筋膜リリース」は、時間や回数を決めていません。〝できるときにできるだけやる〟が基本です。余裕があるときは少々長めでもいいですし、余裕がなければ1回でも効果は出ます。何回やらなければいけない、というプレッシャーがないので、気軽に続けられるのが「ながら筋膜リリース」の大きなメリットです。
2.気持ちよく感じるところでやめる
筋膜の伸び方には個人差があります。強めに伸ばさないと実感できない人もいれば、少し伸ばしただけで痛みを感じる人もいます。
「伸びて気持ちいいなぁ」という自分の感覚を大事にしましょう。少し痛い程度の「痛気持ちいい」でもOKです。行ったあとにするどい痛みが残っているならば、伸ばしすぎの可能性があります。
3.鏡を見る
1日のどこかのタイミングで、できれば鏡を見ながらポーズを取りましょう。
鏡を見ると、人間は本能的に姿勢をよくし、立体的にバランスを整えるようになります。腕を上げるポーズでも、無意識に両肩の高さをそろえようとするので、効果的な筋膜リリースができます。自分が今どこを伸ばしているか、ポーズは正しいかの確認もしやすくなります。
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