<この体験記を書いた人>
ペンネーム:パニーニ
性別:女
年齢:51
プロフィール:夫と二人暮らし。義母が隣に住んでいます。
近所に住んでいるAさん(70代後半)は、人の情報を集めるのが好き。そしてその情報を他人に話すのは、もっと好きです。誰かが「誰それさんがね」と話し出すと、「あー、知ってる? あそこの二番目の娘さん、離婚したんだって」と言って得意顔。そしてそれが話の中心になってしまい、Aさんのおしゃべりはとまりません。
新ネタがなくなると、「あそこの旦那さん、本当は奥さんのお姉さんと結婚したかったのよ」、「ここの家のおじいさんは、性格が悪くてね」と昔話。どちらの方も、もう前に亡くなっているのですが......。どこまでも話を仕切りたいようです。
そんなAさんは跡取り娘。生まれてからずっと同じ家に住んでいるのだそうです。ですので、周囲のことに詳しいのも納得。それに、昔は結婚の相手も近所から選ぶことが多かったというので、各家庭の「お嫁さん」の情報にも詳しいのだと自慢げにいいます。
でも、Aさんの情報ファイルに私の名前はありません。その理由は、Aさんの情報源となるはずの義母と昔から仲が悪いからです。そこでAさん、我々の情報を知りたかったのでしょう。義母にかわって私に近づこうとしました。
ある日、スーパーで買い物をしていたときのこと。どこからともなくAさんがつつーっと隣に来て、「何買うの? 今日はお肉が安いわよ」とニコニコ。突然の登場に驚きつつも私が「はあ」などと言っていたら急に真面目な顔になったAさん。そして「あなたも大変でしょー?」と一言。そう、Aさんの集める「情報」は悪いことだけ。私から義母の負の情報を得ようとしているのです。私は内心(ほほう、そうきましたか、その手には乗りません)。そして満面の笑顔で答えてやりました。
「いいえぇ〜、うちのおかあさん、なんでも私より上手だから楽ですぅ〜」
そんな私の返答を聞いてあての外れたであろうAさんはちょっと黙りました。そして、「そういえばあなた、よく郵便局のほうへ行くけど親戚でもいるの?」と攻めてきました。どうやら目的を私に変え、私の情報を探ることにしたようです。ですがここで私は「図書館に行くんですけど」と一言。すると、私からはうわさ話を聞き出せないと悟ったのか私に完全に興味を失った様子のAさん。「あら~、頭がいいのね~」と言って、離れていきました。
それ以来、Aさんが私に話しかけることはありません。なんとか情報源とならずにすみました。ふー、やれやれ。
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