患者数4800万人「下肢静脈瘤」の症状を改善する「足バタバタ体操」

50代〜60代の約6割、70歳以上の7割以上がかかっているとされる「下肢静脈瘤」。日本では約4800万人の患者がいるともいわれています。でも、この病気は良性の病気ですから、必要以上に怖がらなくて大丈夫。セルフケアをすることで、症状の改善が期待できるのです!

今回は、お茶の水血管外科クリニック院長・広川雅之先生に、下肢静脈瘤の症状改善のための簡単な体操や生活習慣についてお聞きしました。

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弾性ストッキングや体操で症状が改善される方もいます。「弾性ストッキングは、適正なサイズやはき方によって効果は変わります。自己流よりも弾性ストッキング・コンダクター資格を持つ専門家の指導を受けた方が良いでしょう」と広川先生。

弾性ストッキングは足首に一番強い圧力をかけ、心臓に戻る血液の流れを助けて下肢静脈瘤の症状を改善します。でも、圧力は結構きつくてはくのが大変。夏場は汗でビッショリになってしまうことも。

「長時間の立ち仕事など、下肢静脈瘤のリスクの高い人は、症状が出てから弾性ストッキングを使用してお遅くはありません。予防するためには体操やマッサージを活用するとよいでしょう」

知っておきたい、下肢静脈瘤の症状を改善する体操と生活習慣

■体操

脚にたまった血液を心臓へ戻すために役立つ体操です。がんばり過ぎずに行いましょう! 午後から夜にかけて行い、継続するように心がけて、良くならない、悪くなったと感じたら医療機関へ。

足バタバタ体操

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①いすに浅く腰かけて、背中は背もたれにしっかり付ける。脚は肩幅程度に開き、前に投げ出すように座る。
②かかとを床につけたまま、つま先をゆっくりと手前に引き、次に前に伸ばす。これを10回繰り返す(1セット)。これを3セット行う。片足ずつでも両足同時でも良い。
※このとき、両手を上げて上半身を反らすようにしながら深呼吸を行うと、より効果的。

あおむけ手足ブルブル体操

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①あおむけになって寝る。脚は肩幅くらいに開き、両手は体の横に置く。
②両手、両足を天井に向けて上げる。なるべく手足は床に対して垂直になるように。
③手と脚の力を抜きリラックスした状態で、手足を小刻みにブルブル30秒くらい動かす(1セット)。これを3セット行う
※両手両足を上げる姿勢がつらい場合は、足だけを上げても良い。

■生活習慣

弾性ストッキングをはきましょう

しっかりはけば症状改善の強い味方。正しくはいて脚に圧力をかけないと意味がありません。 医療機関で適切なものを選んでもらいましょう。

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①ストッキングに手を入れ、内側からかかとをつまむ。

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②かかとをつまんだまま、ストッキングをかかとの部分に向けてひっくり返す。

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③かかとが下側になるようにして両手で履き口を左右に広げる。

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④足先からかかとまで入れ、ストッキングのかかとの位置と自分のかかとを合わせる。

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⑤裏返してあるストッキングの端を持ち、ふくらはぎからひざにたくし上げる。

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⑥全体のシワを伸ばす。

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<教えてくれた人>

お茶の水血管外科クリニック院長

広川雅之(ひろかわ・まさゆき)先生

1962年神奈川県生まれ。高知医科大学卒ジョンズホプキンス大学医学部、東京医科歯科大学血管外科などを経て2005年より現職。日本静脈学会の下肢静脈瘤治療がイドライン委員長など歴任。

この記事は『毎日が発見』2019年9月号に掲載の情報です。

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