無症状の場合も多い!発見したい「早期の胃がん」とは

食後の胸やけやゲップ、胃もたれが多くなってきた・・・。そんな悩み、かかえていませんか? そんな「胃の不調」の原因や症状、予防や治療法について、戸田中央総合病院外科消化管部長の立花慎吾先生にお聞きしました。今回は「胃がん」についてです。

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胃の痛みなどの症状は早期がんでは生じにくい

胃がんは国内のがん死因の第3位で、がんで亡くなった人数では男性で2番目、女性では4番目に多くなっています。最大原因といわれるピロリ菌の除去により、胃がんになる人は将来的に減ると考えられますが、現状では胃がんになる人はたくさんいるのです。そのため、胃の不調を抱えていると「胃がんかしら?」と心配になりますね。

「早期の胃がんは無症状のことが多く、胃内視鏡検査で初めて分かることが一般的です。早期の胃がんであれば内視鏡的治療で済みますので、健診で検査を受けることをおすすめします」と立花先生はアドバイスします。 


■胃の構造と胃がんの進行度

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胃の表面の粘膜、その下の粘膜下層までにできたがんを「早期がん」と称します。粘膜下層よりも深くなるにつれて進行度が高くなり、胃の周りにあるリンパ節への転移の有無も進行度を左右します。

 
胃潰瘍では、胃痛や不快感、胸やけなどの症状が出ますが、胃がんは進行しないと症状が現れにくいそうです。健診も受けずに胃がんと気付かないままでは、進行がんで見つかるようなことも起こります。進行がんになると、胃を部分的、あるいは、全部取り除くような手術が必要になり、場合によっては命に関わります。転ばぬ先の杖として、定期的に内視鏡検査を受けることが重要です。

「胃がんはもとより、早期発見・早期治療が健康維持には必要不可欠です。健診と規則正しい生活習慣の心がけが、胃などの臓器を守ると考えていただきたい」と立花先生。
胃の不調を感じたときには医療機関を受診しましょう。

 

■がん細胞 二つのタイプ

がんの熟成度に応じた分化度によって悪性度は異なります。未分化、低分化、高分化に分けられ、未分化・低分化のがん細胞の方が増殖する傾向が強く悪性度が高くなります。

 
■ESD手術(粘膜下層剝離術)

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早期がんに対する内視鏡治療には、内視鏡的粘膜切除術(EMR)と、広い範囲の粘膜切除が可能な内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD) があり、ESDを行う医療機関も増えています。

 

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取材・文/安達純子 イラスト/入江めぐみ

 

 

<教えてくれた人>

立花慎吾(たちばな・しんご)先生

戸田中央総合病院外科消化管部長。東京医科大学病院消化器外科・小児外科派遣准教授。東京医科大学卒。米国留学、愛知県がんセンター中央病院などを経て2018年より現職。

この記事は『毎日が発見』2019年5月号に掲載の情報です。

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