内視鏡検査ではわからない?「機能性ディスペプシア」の治療法

食後の胸やけやゲップ、胃もたれが多くなってきた・・・。そんな悩み、かかえていませんか? そんな「胃の不調」の原因や症状、予防や治療法について、戸田中央総合病院外科消化管部長の立花慎吾先生にお聞きしました。今回は、ストレスや食生活などに関係する「機能性ディスペプシア」についてです。

pixta_23752490_S.jpg前の記事「健診で問題なしでも油断禁物!「機能性ディスペプシア」とは?/胃の不調(5)」はこちら。

 
検査で原因を知り原因に合わせた治療がカギ

胃食道逆流症は、胃酸が食道へ逆流することで食道の粘膜に炎症が起こり、粘膜が赤くなるなど異変が見られることが多いため内視鏡検査で分かります。機能性ディスペプシアでは、粘膜の変化は見られないものの。胃酸の逆流で痛みや胸やけの症状が出ることが多いと考えられています。

「機能性ディスペプシアの患者さんに、食道・胃pHモニタリング検査で胃酸を調べると、食道へ胃酸が逆流していることが分かります。内視鏡検査では病変が見られなくても、胃酸の逆流を止めることが重要になります」と立花先生は説明します。

胃酸のpHは「1〜2」と酸性が強いため、食道へ逆流すると食道のpH値が下がります。それを調べるのが食道・胃pHモニタリング検査です。pHセンサーの付いた細い管のカテーテルを鼻から挿入し、体の外の携帯タイプの記録装置に24時間pHを記録して調べます。粘膜に異常が見られなくても、胃酸が逆流していることが明らかになるそうです。
「胃酸が逆流している場合には、胃食道逆流症と同様の治療が功を奏します。また、ピロリ菌除去も必要で、高脂肪食や暴飲暴食を避けるなどの食生活の見直しも大切になります」

 

胃酸の逆流に加えて、胃の働きがよくないことも症状に関係します。
加齢とともに胃の働きは低下しやすいのですが、食べ物が胃から十二指腸へ送り出される動きが悪くなり、胃もたれなどの症状につながります。また、胃酸の分泌量が多くなってそれが十二指腸に流れることも、痛みの症状を引き起こします。さらに、脳が敏感になって胃の症状に結びつくこともあるのです。そのような原因に合わせた治療薬の選択が症状改善のカギになるといえます。

以下に予防法と治療法をまとめました。


■予防法

・脂っこいもの、刺激の多いものを摂り過ぎないようにする
・早食いせずにゆっくり食べる
・喫煙、過度の飲酒はNG
・食べ過ぎない&就寝前の食事は避ける
・ストレス要因を減らす

胃酸の分泌量の増加や胃酸の逆流を防ぐ食生活と、ストレス発散を心がけることが大切になります。 次に治療法をみてみましょう。

 
■治療法

・まず、消化管運動機能改善薬と胃酸分泌抑制薬を服用
・主治医と良い関係性を築く


消化管運動機能改善薬で胃の働きを整え、胃酸の分泌抑制の薬を服用することが基本です。信頼できる主治医の治療によって、効果的な治療の選択にもつながります。

「胃の痛みの感じ方には個人差がありますが、症状が続くときはきちんと検査を受けることが大切です。胃以外の胆のうなどの病気が見つかることもあります」と立花先生は話します。

症状に思い当たる方は、これらをぜひ参考にしてみてください。

 

次の記事「無症状の場合も多い!発見したい「早期の胃がん」とは/胃の不調(7)」はこちら。

取材・文/安達純子

 

 

<教えてくれた人>

立花慎吾(たちばな・しんご)先生

戸田中央総合病院外科消化管部長。東京医科大学病院消化器外科・小児外科派遣准教授。東京医科大学卒。米国留学、愛知県がんセンター中央病院などを経て2018年より現職。

この記事は『毎日が発見』2019年5月号に掲載の情報です。

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