患者最多の「大腸がん」、知っておきたい早期発見ポイント

厚生労働省は2019年1月、2016年に始まった「全国がん登録」の結果を初めて公表しました。2016年に新たに「がん」と診断された患者は全国で99万5132人で、男性56万6575人、女性42万8499人。部位別では大腸、胃、肺、乳房の順で、大腸がんは男女合計15万8127人と発表されました。年々増加する大腸がん、その早期発見のポイントを、医療法人社団 同友会理事長の髙谷典秀先生に聞きました。

pixta_30966903_S.jpg「大腸がん患者が増えた要因は、食生活の欧米化の他、運動不足や喫煙習慣、過度な飲酒、そして遺伝的な要素も一つと考えられます」と、髙谷典秀先生。大腸がんは、他のがんと比べて進行が早いわけではありません。最初は小さなポリープだったものが次第に大きくなり、数年かけてがんになります。それだけに、早期発見・早期治療が重要です。

「大腸がんは自覚しにくいため、症状が出たときには、ある程度病状が進んでいます。ですから、症状のないうちに見つけることが大切。そのためには、検診が不可欠です。以前と比べて便が細い、便秘や下痢が続く、便に血や粘液が混じるなど、便通異常を感じたら、早めに検査を受けてください」(髙谷先生)。

大腸がん検診は、自治体の場合、便潜血検査という方法で行います。陽性と診断された場合は大腸内視鏡検査を行います。

「便潜血検査は手軽な反面、がんがあるにもかかわらず、陰性と判断されることも少なくありません。これを補うには、大腸内視鏡検査を加えるのが有効です。特に、便潜血検査で陽性とされた場合は必ず受けてください。大腸内視鏡検査は、がん化する恐れがある腫瘍やポリープをその場で処置できるのも大きなメリットです。大腸がんの進行は緩やかなので、異常がなければ、毎年の便潜血検査を続け、数年に1回、内視鏡検査を加えれば十分です」(髙谷先生)。

他にも大腸がんのリスクが分かる検査は複数あります(下記参照)。大腸がんは早期発見
による治癒率が高い病気です。検査を活用して、大腸がんの予防と早期発見に努めましょう。

 

大腸がんのリスク検査方法

●便潜血検査

【時期の目安】
年1回

【検査方法】
検便を2日分行い、便に潜む血液の有無を調べます。
大腸がんやポリープがあると、便が腸内を移動する際に便と組織が擦れて血液が付着します。

【受ける場所と費用の目安】
・自治体の追加健診または人間ドックで受ける
・無料~3,000円

 

●大腸内視鏡検査

【時期の目安】
異常がない場合は、3~5年に1回

【検査方法】
肛門から内視鏡を挿入し、カメラで大腸を観察。事前に腸内の洗浄や麻酔を行ってから検査を実施します。

【受ける場所と費用の目安】
・人間ドックで受ける
・1万5,000円~3万円

 
●大腸3D-CT検査

【時期の目安】
内視鏡検査を受けない場合、3~5年に1回

【検査方法】
CTを使い、大腸にがんやポリープなどの病気がないかを調べます。内視鏡検査に不安がある人や癒着があるなどで内視鏡検査が適さない人などにおすすめ。

【受ける場所と費用の目安】
・人間ドックで受ける
・3万円~4万円

 
●Cologic™(コロジック)検査
【時期の目安】
適宜

【検査方法】
大腸がんのリスクを調べる血液検査。特定の脂肪酸濃度から大腸がんにかかっている危険度が分かります。早期がんも進行がんも同等の精度で検出します。

【受ける場所と費用の目安】
・人間ドックで受ける
・1万円~1万5,000円

 

取材・文/笑(寳田真由美)

 

 

<教えてくれた人>

髙谷典秀(たかや・のりひで)先生

医療法人社団 同友会理事長、日本人間ドック学会理事、日本人間ドック健診協会理事、医学博士。

この記事は『毎日が発見』2019年4月号に掲載の情報です。
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