医師に聞いた「胆石があると、胆のうがんのリスクは高くなる?」

保有者の8割は無症状ながら、発症すると耐えられない激痛が襲うという「胆石」。今回は日本赤十字社医療センター消化器内科副部長 の伊藤由紀子先生に伺った、「胆のうガンのリスク」や「結石とポリープの違い」という押さえておきたい2つの「ツボ」をご紹介します。

pixta_24077429_S.jpg前の記事「遺伝的要因も? イラストで解説「胆石」ができるしくみ」はこちら。

 
■押さえておきたいツボ1

胆石のある人は胆のうがんのリスクが高い?
胆石があるからといって胆のうがんになるということは、 科学的には証明されていません。

ただし、胆のうがんの人には胆石を持っている人が多いという報告はあります。

胆のうがんのリスクとして、はっきり証明されているのは「膵胆管合流異常症」です。これは先天的に膵管と胆管の合流形態に異常がある人で、MRI(磁気共鳴画像)装置を用いたMRCP(MR胆管膵管撮影)で診断できます。人間ドックのオプションとして受診できることもありますので、かかりつけ医に相談をしてください。

1905_p089_06.jpgエコー検査で胆のうの壁が厚く胆のうがんの疑いがあるときには、MRIなどの別の検査で原因となる病気を診断して適切な治療を行います。

 
■おさえておきたいツボ2

結石とポリープの違いって?
胆石は胆汁の成分が結晶化した硬い石です。胃に生じるポリープは、胃壁の細胞が異常に増殖した良性の腫瘍です。

胆石は石ですが、ポリープは組織の一部が変性した状態なので、全く異なる病態といえます。胃のポリープも基本的には無症状で、別の箇所に胃炎があると症状が出ます。

 

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

 

<教えてくれた人>

伊藤由紀子(いとう・ゆきこ)先生

日本赤十字社医療センター消化器内科副部長 。帝京大学医学部卒。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。2016年より現職。肝胆膵領域の診断・治療を長年行い、胆石、膵がんなどの内視鏡的治療も得意としている。

この記事は『毎日が発見』2019年5月号に掲載の情報です。

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