この5つの症状に要注意!原因不明の病気「間質性膀胱炎」とは

「トイレに行く回数が増えた」「残尿感がある」などの症状、もしかしたら「膀胱炎」のせいかもしれません。そこで、膀胱炎になる原因や理由、予防法を、医療法人 東和会第一東和会病院 女性泌尿器科・ウロギネコロジーセンター長の竹山政美先生に教えていただきました。

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前の記事「繰り返す膀胱炎は隠れた病気のサインかも/膀胱炎(6)」はこちら。

 

細菌感染が原因ではない間質性膀胱炎とは?

一般的に膀胱炎といえば、これまでお話ししてきた細菌感染によるものを指しますが、菌の感染とは関係なく起こる病気に「間質性膀胱炎」があります。「間質性膀胱炎」と聞いても、耳慣れない言葉だと感じる人が多いことでしょう。実際、医師の中にもこの病気のことを知らない人も少なくありません。

「間質性膀胱炎の場合、頻尿と膀胱の痛みを訴える人が多く、細菌感染による膀胱炎とよく似た症状がみられます。ですが、尿検査をしても細菌は検出されず、医療機関を受診しても"異常なし"とされて、取り合ってもらえないことも多い疾患でした。しつこく症状を訴えると、精神科に紹介状を書かれたりするケースも少なくなかったようです。間質性膀胱炎は、膀胱の粘膜下にある間質に炎症が起き、組織が線維化して膀胱が萎縮する病気です。症状が出はじめてから10~20年かけて徐々に病気が進行し、次第に膀胱におしっこをためられなくなります。ですが、間質性膀胱炎がなぜ起こるのか、はっきりとしたことはまだあまりよく分かっておらず、根治薬はありません。そのため、個々のケースに合わせて、治療を進める必要があります」(竹山先生)

●こんな症状は、間質性膀胱炎かも!

□日中、夜間を問わず、激しい尿意を感じる
□尿が膀胱にたまっているとき、膀胱や下腹部が痛む
□排尿すると、膀胱や下腹部の痛みが軽くなる
□尿意切迫感(急に出現する差し迫る尿意)
□膀胱炎と診断され、抗生物質を服用したが症状が改善しない

 

間質性膀胱炎の症状は、ときに安定したり、またひどくなったりを繰り返しながら徐々に症状が悪化していきます。そのため、いつの間にか症状が落ち着き治ったかと思っていると、また数カ月後にぶり返すといったケースも少なくありません。

がまんできないほどの痛みや激しい頻尿は、日常生活に影響を及ぼすことが多く、自然と生活の質が低下していきます。思い当たる症状があったら、早めに泌尿器科を受診しましょう。お近くの泌尿器科で原因が分からない場合は、日本間質性膀胱炎研究会のサイトに、全国の医師リストが掲載されているので病院選びの参考にしましょう。

 

間質性膀胱炎の診断には、問診に加えて、尿検査や尿培養検査を行い、細菌の感染がないかを調べます。また、膀胱鏡検査を行い、他の類似した病気の可能性を否定できるかを調べます。膀胱鏡検査とは、膀胱の中に内視鏡を入れ、膀胱壁を観察する検査です。さらに、生理食塩水を注入して圧を上げて膀胱を広げていくと、膀胱粘膜の細い血管から出血する点状出血という典型的な症状がみられます。さらに膀胱生検(組織検査)によって、炎症性細胞の浸潤(※)が確認されると、ほぼ確定的な診断がつきます。

※浸潤:本来その組織固有のものではない細胞が組織の中に出現すること。炎症の場合にみられる多形核白血球,リンパ球,組織球などの炎症性細胞浸潤や、悪性腫瘍の細胞が周囲の組織を破壊してその中に入り込んでいく腫瘍性浸潤などがあります。

 

間質性膀胱炎の原因は明らかでないため、治療法も確立したものはありませんが、主な治療として、膀胱に水を入れて拡張する膀胱水圧拡張術が用いられます。

麻酔をかけた上で、膀胱の中に生理食塩水を注入し、炎症で硬くなった膀胱を広げる治療です。この他、鎮痛薬や抗うつ薬、抗アレルギー薬、免疫抑制剤などの内服治療、膀胱内へ薬剤を注入する膀胱内注入療法(保険適用外)などがあり、症状を軽減させることができます。このような治療にもかかわらず、症状が悪化する場合には、膀胱を摘出する手術も検討されます。

 

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取材・文/笑(寳田真由美)

 

<教えてくれた人>

竹山政美(たけやま・まさみ)先生

医療法人 東和会第一東和会病院 女性泌尿器科・ウロギネコロジーセンター長。

大阪大学医学部卒業。健保連・大阪中央病院泌尿器科勤務、市立堺病院泌尿器科医長、健保連・大阪中央病院泌尿器科部長・医務局長を経て2009年10月に泉北藤井病院/梅田ガーデンシティ女性クリニックにウロギネセンターを開設。2015年3月より現職。著書に、『女性泌尿器科へ行こう! 骨盤臓器脱・尿もれ・間質性膀胱炎の治療と手術を受ける人へ』(共著・メディカ出版)などがある。

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