寒い冬にはトイレが近くなりがちですが、排尿後の痛みや尿の濁りなどの異変があったら要注意。膀胱に炎症が起きた「膀胱炎」が疑われます。その原因と対策、予防法などについて、膀胱炎に詳しい東邦大学医療センター 大森病院泌尿器科講師に伺いました。
「膀胱炎」とは? まずは症状をセルフチェック!
「一生に一度はなる」といわれるほど、女性にとってはかかりやすい病気の一つ「膀胱炎」は、(一般的には)細菌が膀胱へ入り、膀胱粘膜に炎症が起こる病気のこと。
まずは、以下の症状について、あてはまるものの数を数えてみましょう。
【膀胱炎セルフチェック】
・さっき行ったばかりなのに、もうトイレに行きたい
・排尿の終わるころに痛みがある
・排尿した後にムズムズしたり、痛みがある
・尿が白く濁ることがある
・尿に血が混じっていることがある
・以前にも上記のようなことがあった
当てはまるものが多いほど膀胱炎の可能性が高いです。 特に「痛み」を感じたことがある方は早めに泌尿器科で受診を。
「膀胱炎」は繰り返される症状に注意
「膀胱炎」は、検査を受けて薬を服用すれば治りますが、しばらくするとまたトイレが近くなり排尿痛を伴う人がいます。そんな繰り返す症状には注意が必要です。
「膀胱炎が繰り返される原因は、(1)抗菌剤に対する耐性菌、(2)膀胱周囲の結果の動脈硬化により尿が出し切れない、(3)膀胱がんなど別の病気の存在が考えられます。短期間(2、3カ月)に2回以上、膀胱炎が再発するようならば、日本泌尿器科学会専門医のいる医療機関で受診して、詳しい検査を受けることをおすすめします」と青木九里先生。
膀胱炎は、大腸菌などの細菌が膀胱の中に入って増殖し、膀胱内の粘膜に炎症を起こします。抗菌剤を飲むと細菌は死滅して炎症は治まるのが一般的ですが、抗菌剤が効かない耐性菌の存在や、動脈硬化に伴う神経のダメージで尿が出し切れないと、膀胱炎を引き起こしやすくなります。ただし、原因を知って正しく対処すれば膀胱炎は治り、予防で未然に防ぐことも可能です。
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取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史