繰り返す「膀胱炎」に要注意! セルフチェックで症状を確認

寒い冬にはトイレが近くなりがちですが、排尿後の痛みや尿の濁りなどの異変があったら要注意。膀胱に炎症が起きた「膀胱炎」が疑われます。その原因と対策、予防法などについて、膀胱炎に詳しい東邦大学医療センター 大森病院泌尿器科講師に伺いました。

繰り返す「膀胱炎」に要注意! セルフチェックで症状を確認 pixta_19475256_S.jpg

 

「膀胱炎」とは? まずは症状をセルフチェック!

「一生に一度はなる」といわれるほど、女性にとってはかかりやすい病気の一つ「膀胱炎」は、(一般的には)細菌が膀胱へ入り、膀胱粘膜に炎症が起こる病気のこと。
まずは、以下の症状について、あてはまるものの数を数えてみましょう。

膀胱炎セルフチェック
・さっき行ったばかりなのに、もうトイレに行きたい
・排尿の終わるころに痛みがある
・排尿した後にムズムズしたり、痛みがある
・尿が白く濁ることがある
・尿に血が混じっていることがある
・以前にも上記のようなことがあった

当てはまるものが多いほど膀胱炎の可能性が高いです。 特に「痛み」を感じたことがある方は早めに泌尿器科で受診を。繰り返す「膀胱炎」に要注意! セルフチェックで症状を確認 1901p087_01.jpg

 

「膀胱炎」は繰り返される症状に注意

「膀胱炎」は、検査を受けて薬を服用すれば治りますが、しばらくするとまたトイレが近くなり排尿痛を伴う人がいます。そんな繰り返す症状には注意が必要です。

「膀胱炎が繰り返される原因は、(1)抗菌剤に対する耐性菌、(2)膀胱周囲の結果の動脈硬化により尿が出し切れない、(3)膀胱がんなど別の病気の存在が考えられます。短期間(2、3カ月)に2回以上、膀胱炎が再発するようならば、日本泌尿器科学会専門医のいる医療機関で受診して、詳しい検査を受けることをおすすめします」と青木九里先生。

膀胱炎は、大腸菌などの細菌が膀胱の中に入って増殖し、膀胱内の粘膜に炎症を起こします。抗菌剤を飲むと細菌は死滅して炎症は治まるのが一般的ですが、抗菌剤が効かない耐性菌の存在や、動脈硬化に伴う神経のダメージで尿が出し切れないと、膀胱炎を引き起こしやすくなります。ただし、原因を知って正しく対処すれば膀胱炎は治り、予防で未然に防ぐことも可能です。

 

次の記事「閉経後の女性がリスク高! 膀胱炎になりやすい理由とは(2)」はこちら。

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

 

<教えてくれた人>
青木九里(あおき・くり)先生

東邦大学医療センター 大森病院泌尿器科 講師。東京女子医科大学卒。東邦大学大学院博士号取得。東邦大学医療センター佐倉病院などを経て、2009年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医。日本性感染症学会専門医。膀胱炎の研究・治療に詳しい。

この記事は『毎日が発見』2019年1月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP