閉経後の女性がリスク高! 膀胱炎になりやすい理由とは

寒い冬にはトイレが近くなりがちですが、排尿後の痛みや尿の濁りなどの異変があったら要注意。膀胱に炎症が起きた「膀胱炎」が疑われます。その原因と対策、予防法などについて、膀胱炎に詳しい東邦大学医療センター 大森病院泌尿器科講師に伺いました。

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前の記事「繰り返す「膀胱炎」には要注意!セルフチェックで症状を確認(1)」はこちら。

 

閉経後の女性は膀胱炎リスクが高い

男性と比べて女性の方が膀胱炎になる確率が高いのは、尿道が短いことが一つの理由です。お尻などに排便などで付着した細菌が、膣の中で繁殖すると膣から尿道へ入り込み、膀胱で増殖しやすいのです。

「膣内はデーデルライン桿菌という常在菌により、細菌が繁殖するのを防いでいます。デーデルライン桿菌は、女性ホルモンの影響を受けやすく、生理や妊娠中、閉経後に減少します。特に閉経後はデーデルライン桿菌が失われるため、膣内で細菌が繁殖しやすく、高齢の女性ほど膀胱炎のリスクが高いのです」を青木先生は説明します。

膀胱の中は体温で暖かく尿には栄養分が豊富なため、膀胱に到達した細菌にとっては繁殖にうってつけの環境です。

加齢や生活習慣病で動脈硬化が進んでいると、膀胱を収縮して尿をしっかり出す機能も衰えます。それも細菌の繁殖を後押しするのです。

結果として、薬で症状が治まっても、しばらくするとまた膀胱炎になるようなことが起こります。繰り返すようならば専門医を受診しましょう。

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女性の方が圧倒的に膀胱炎になりやすい理由とは?

【女性】
・尿道は約4~5cm
・肛門と尿道口、 膀胱の距離が近い


【男性】
・尿道は約16~20cmと長い
・肛門と尿道口、 膀胱の距離が遠い

膀胱炎は、排便したときに肛門に付着した細菌が主な原因となり、トイレットペーパー で拭いたときなどに尿道へ侵入します。閉経後の女性は膣のバリア機能が失われて細菌が 繁殖しやすく、男性よりも尿道が短いために膀胱に細菌が侵入しやすいのです。

 
◆「膀胱炎」のいろいろ

膀胱炎にはいろいろなタイプがあります。タイプによって原因が違うため、治療のアプローチも異なってくるのです。

・急性膀胱炎
一般によくいわれる膀胱炎。単純性膀胱炎ともいう (今回は急性膀胱炎についてお話を伺いました)。

・複雑性膀胱炎
尿管結石や糖尿病などの病気がある方や、 ステロイドや抗がん剤を投与中で免疫力が低下している方に起きる膀胱炎。 尿の中に細菌が常にいる状態で、普段はほとんど症状がない。

・出血性膀胱炎
尿に細菌や膿がないにもかかわらず、血尿が出る。 原因はアレルギー、薬の副作用、放射線治療の合併症など多岐にわたる。 血尿以外にも排尿痛や残尿感、頻尿等の症状を伴うことが多い。

・間質性膀胱炎
膀胱の内側粘膜の防御機構が壊れ、尿が膀胱の壁に染み込んで炎症が続く。原因は不明で患者の9割が女性。他の膀胱炎と違い、尿がたまると痛みを感じ、排尿すると痛みが軽くなる。

 

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取材・文/安達純子

 

 

<教えてくれた人>
青木九里(あおき・くり)先生

東邦大学医療センター 大森病院泌尿器科 講師。東京女子医科大学卒。東邦大学大学院博士号取得。東邦大学医療センター佐倉病院などを経て、2009年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医。日本性感染症学会専門医。膀胱炎の研究・治療に詳しい。

この記事は『毎日が発見』2019年1月号に掲載の情報です。

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