スーパーで猪突猛進!せっかちすぎるんです、うちの母/高齢母の行動がわからない!

「ガンコで融通がきかない! 」「思い込みが激しすぎる! 」...高齢になってきた親の行動に、毎日イライラしていませんか? 実は、それらの行動には理由があるのです。人気ブロガー、なとみみわさんの母と姑の"理解できない"行動を、大阪大学大学院教授の佐藤眞一先生が老年行動学で解明。理由が分かれば、あなたの親の行動も納得できるかも!

※この記事は『まいにちが、あっけらかん。―高齢になった母の気持ちと行動が納得できる心得帖』(なとみみわ 佐藤眞一/つちや書店)からの抜粋です。

前のエピソード:昔のおにぎりの話を何度もします/高齢母の行動がわからない!(1)

 

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高齢になると記憶力が衰えます。高齢者本人もそれをどこかで自覚しているため、「次にやるべきことを忘れる前に、目の前にあることを早く終えなければ」という気持ちのあせりをいつも抱えています。お母さんも買い物をしながら「次に薬局へ行く」と言っていますから、「薬局に行くことを忘れてしまう前に、早く会計を済ませて安心したい」と思っているところに、あいているレジがあったので、一目散に突進したのです。

また、高齢者はやらなければならない複数の物事に対して、同時に注意を向け、順序よく処理することが難しくなっていることも要因として考えられます。

人が情報を得てから脳が処理する能力には限界があり、一般的に40~50代くらいまでの人であれば、同時に3つ程度の事を処理できます。ところが、高齢になると処理能力が低下し、同時に2つの事しかできなくなります。おそらく、お母さんは「あそこのレジがあいている!」と判断し、「レジに進む」という行動を起こした時点で処理能力が尽きてしまい、まわりへの注意力がおろそかになり、配慮のできない行動になってしまったのでしょう。

さらに、高齢者の「判断に時間がかかる」という現象も関係しています。近年の研究から、脳の「白質」という部分の血流が悪くなると、神経から神経への伝達と反応がにぶくなるなどのさまざまな問題が起こることが解明されてきました。

お母さんが「レジに進む」ことを決めて行動を始めてしまうと、たとえ「目の前に人がいる」ことに気がついたとしても、脳から体への神経伝達が悪くなっているので、途中で行動を止めるのが難しいのです。

せっかちな行動によって人にぶつかったり、他人に迷惑をかけてしまう高齢者はめずらしくありませんが、外出先のまわりに人がいる状況で注意してもプライドを傷つけてしまうだけなので、「あせらなくてもいいよ」「少しくらい遅れても大丈夫」などと声をかけて安心させてあげるだけで、落ち着いて行動できるようになるでしょう。

 

次のエピソード「「あの2人は夫婦でしょ」思い込みが激しすぎて訂正しても聞き入れません/高齢母の行動がわからない!(3)」はこちら。

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なとみみわ

テレビ制作会社に勤務。子育ても終わり趣味であるマンガを描きつつイラストレーターに転身。Web、雑誌、書籍、ムック、広告等を中心に活躍

 

佐藤眞一

大阪大学大学院人間科学研究科臨床死生学・老年行動学研究分野教授、放送大学客員教授。博士(医学)。前日本老年行動科学会会長、日本老年社会科学会理事、日本応用老年学会理事、日本老年精神医学会編集参与、大阪府社会福祉事業団顧問などを務める。


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『まいにちが、あっけらかん。―高齢になった母の気持ちと行動が納得できる心得帖』

(なとみみわ 佐藤眞一/つちや書店)

介護ブログで人気のなとみみわさんが、義母のばあさんと実母のよしみとの過去に「イライラした体験」や「あっけらかんとした体験」を思い出しながら、ほぼ実体験をマンガ化。高齢になってきた親の理解できない行動を老年行動学で解明します。

この記事は『まいにちが、あっけらかん。―高齢になった母の気持ちと行動が納得できる心得帖』からの抜粋です
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