「あの2人は夫婦でしょ」思い込みが激しすぎて訂正しても聞き入れません/高齢母の行動がわからない!

「ガンコで融通がきかない! 」「思い込みが激しすぎる! 」...高齢になってきた親の行動に、毎日イライラしていませんか? 実は、それらの行動には理由があるのです。人気ブロガー、なとみみわさんの母と姑の"理解できない"行動を、大阪大学大学院教授の佐藤眞一先生が老年行動学で解明。理由が分かれば、あなたの親の行動も納得できるかも!

※この記事は『まいにちが、あっけらかん。―高齢になった母の気持ちと行動が納得できる心得帖』(なとみみわ 佐藤眞一/つちや書店)からの抜粋です。

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高齢になると思い違いが増えたり、思い込みがはげしくなったりします。これは記憶にまつわる能力の低下と、認知(対象を認識すること)の硬さが原因です。

記憶は、「事実の記憶」と「イメージの記憶」に大きく分類できます。事実の記憶とは、実際に起こった出来事に関する記憶のこと。イメージの記憶とは、「○○だったらいいのに」「△△かもしれない」と想像したことに基づいた記憶のことです。

人は事実の記憶とイメージの記憶を現実と照らし合わせ、どちらが正しいのかを無意識に判断しているのですが、高齢になるとこの判断力が衰え、2つの記憶が混同しやすくなってしまいます。さらに、一度イメージの記憶を事実と思い込んでしまうと、否定することが難しくなってしまいます。これは認知の硬さが引き起こしている症状で、お姑さんのように、最初の思い込みをなかなか変えられないのはそのためです。

お姑さんはテレビ番組の出演者を見て、「この男女はお似合いだ。きっと夫婦に違いない」、あるいは「仲がよいからこの2人は兄弟」と想像したのでしょう。これはイメージの記憶にあたりますが、お姑さんの中では事実の記憶と混同されてしまいました。さらに、認知の硬さからそれが訂正されず、真実になってしまったことが考えられます。

テレビ時代劇「水戸黄門」が高齢者に人気なのも、同じ理由で説明できます。登場人物の勧善懲悪が明確なので、善人と悪人が分かりやすく、印籠が登場すると悪人が退治されるという展開が毎回同じです。したがって、記憶が混同することも、登場人物の第一印象が変わることもないため、高齢者は安心してテレビを見ていられるのです。

詐欺の被害にあう高齢者が多いのも同様です。「電話の声は息子だ」「この営業マンは優しくていい人」などと思い込み、最後までだまされてしまうのです。

高齢になると、思い違いを真実と確信してしまうことも増えますが、「高齢者とはそういうもの」と理解して、温かく見守ってあげましょう。

 

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なとみみわ

テレビ制作会社に勤務。子育ても終わり趣味であるマンガを描きつつイラストレーターに転身。Web、雑誌、書籍、ムック、広告等を中心に活躍

 

佐藤眞一

大阪大学大学院人間科学研究科臨床死生学・老年行動学研究分野教授、放送大学客員教授。博士(医学)。前日本老年行動科学会会長、日本老年社会科学会理事、日本応用老年学会理事、日本老年精神医学会編集参与、大阪府社会福祉事業団顧問などを務める。


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『まいにちが、あっけらかん。―高齢になった母の気持ちと行動が納得できる心得帖』

(なとみみわ 佐藤眞一/つちや書店)

介護ブログで人気のなとみみわさんが、義母のばあさんと実母のよしみとの過去に「イライラした体験」や「あっけらかんとした体験」を思い出しながら、ほぼ実体験をマンガ化。高齢になってきた親の理解できない行動を老年行動学で解明します。

この記事は『まいにちが、あっけらかん。―高齢になった母の気持ちと行動が納得できる心得帖』からの抜粋です
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