「生んだ覚えも育てた覚えもない!」その場を凍らせた母のひと言/石塚ワカメ

みなさまこんにちは。アルツハイマー型認知症を発症した実母の近距離介護を行っている石塚ワカメです。
前回の記事:あちこち奔走、想像以上の労力...思い出の詰まった実家を売却

毎年、年末年始は実家で実母と過ごしてから義実家に行っていましたが、実家は売ってしまったし、義父の体調も悪いので、今年は自宅で過ごすことにしました。お正月に毎年実母が作ってくれるお雑煮を楽しみにしていたのですが、実母はもう作り方を忘れてしまったので、実母の味を思い出しながら自分で作りました。

独身で行くアテのない実兄も来て、みんなでまったりと過ごしていたとき、ふと実母が私に聞きました。

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先程までの穏やかな空気と一変して、凍りつく一同...。

私はわざと明るく「そこにいるムサ苦しいおっさんが私のお兄ちゃんだよ~!あとは今ここにはいないけど、姉ちゃんがいるよね。姉ちゃんも兄ちゃんも私も、実母が生んだ子どもだよ!」と答えてみましたが、

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再び氷点下まで凍りつく一同...。

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どうやら実母は、目の前にいるのが「ワカメちゃん」という人物だということはわかるけど、それが自分の子どもであることには結びつかないようです。

認知症が進むと配偶者や自分の子どものことも忘れてしまうと聞いたことがあり、いつかはこんな時が来ると覚悟していたので、思っていたよりもショックは受けませんでした。

が、ふと隣を見ると、実兄がひどく落ち込んでいるではありませんか!
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私も悲しくないかと問われたら、もちろんとても悲しい。
でも、実母が私を娘だと忘れたことよりも、実兄や息子を忘れてしまうことのほうが、よっぽど悲しい。

それは、私が今育児真っ最中で、まだ乳児で喋らない娘はともかく、超問題児で手が焼けるけれど、毎日「おかあさんだいすき!」と言ってきてくれる息子のことを忘れてしまうことを想像するからだと思います。娘も喋るようになって人格がでてきたらまた違う気持ちになるかもしれませんが、実兄が私よりも落ち込んでいたように、「母親と息子」と「母親と娘」は、ちょっと違う関係性なのではないかと思うのです。

まだ私の存在を完全に忘れられたわけではないし、いつかは忘れられちゃう日も来るかもしれないけど、その時はその時だ!
介護も育児も、いちいち落ち込んでたらやってられないんだぜ!
と自分を励ますワカメなのでした。

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石塚ワカメ

70年代生まれのイラストレーター。二児を育てつつ、近距離に住む実母の介護も行う、仕事・育児・介護のトリプルハードワーカー。ブログ「ワカメ絵日記」を運営。著書に「妊娠さらし絵日記(飛鳥新社)」「毎日が育ジーザス!!(主婦の友社)」がある。

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