肩に痛みを感じたら、まずは医療機関の整形外科を受診/四十肩・五十肩

40代を過ぎて、肩が痛い、腕が上がらないという時にまず思い浮かべるのが、四十肩・五十肩ではないでしょうか。「そのうち治るだろう」「年をとったから痛くなっただけ」と自分で判断し、放っておく人も多いですが、実は、いつ爆発するかわからない「爆弾」を抱えているのと同じ。気づかないうちに重症化していて、手術が必要となる場合もあるので、軽く考えるのは禁物です。

肩の仕組みをはじめ、四十肩・五十肩の原因や症状、予防法などを、麻生総合病院 スポーツ整形外科部長で、肩関節の治療を専門とする鈴木一秀先生にお聞きしました。

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肩が動けば日常生活はさらに充実

肩に痛みや違和感を覚えたら、どうしたらいいのでしょうか。

ちょっとした肩の痛みや肩凝りは生活に大きな支障がない場合が多いので、すぐ病院へ行く人はほとんどいません。それでも、鈴木先生は「痛みはたとえ軽くても、放置せずに、医療機関を受診して早期に治療することが大切です」といいます。
気づかないうちに重症化していたり、その痛みに別の疾患の可能性が潜んでいたりすることもあるからです。

肩を診てくれるのは、整形外科です。初期の場合、発症してから2週間経っても症状が改善しなければ、医療機関へ行きましょう。
鈴木先生は、「痛いうえに動きが硬くなり始めた時、痛くなる頻度が多くなってきた時、そして、ある一定の動作だけでなく、何をしても痛みを感じた時などが、医療機関を訪れるタイミングです」と、アドバイスしています。

整体や整骨院、マッサージサロンなどに行く人も多いですが、このようなところではMRIによって判明する腱板断裂などの診断はできません。まずは医療機関の整形外科を受診しましょう。その後、悪化や腱板断裂、他の疾患などの疑いがないことがきちんと診断されたら、筋肉をほぐしてもらったり、血行を促したりするために、整体やマッサージサロンを利用するのは悪いことではありません。

鈴木先生は、初期の段階で四十肩・五十肩と判断され、治療を始めて3~6カ月経っても症状に改善の兆しがない場合は、漫然と治療を続けるのではなく、別の病院を受診したり、MRIを撮ったりして、次の判断をすることをすすめています。 

肩の関節の仕組みは非常に複雑で解明されていない部分も多く、「肩専門医」や「肩専門医院」と呼べるものは皆無に等しいというのが、日本の現状です。それゆえ、正しい診断をし、適切な治療を行える医師は多くはいないそうです。ひと口に「整形外科医」といっても、肩でなく、腰や背中、足を専門とする医師もいます。

肩に精通する医師を探したいなら、「日本肩関節学会」のホームページをチェックしてみるのも、一つの方法です。現在約1,800人が登録されており、そのうちの代議員名簿欄で医療機関や医師の名前を閲覧できます。

「四十肩・五十肩、腱板断裂などの肩の症状は、生命に関わる疾患ではないため、多くの人に危機感はありません。しかし、日々の生活を快適にし、やりたいことを実現するためには、肩が動くことは非常に大切なことなのです」と、鈴木先生は話しています。

 

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取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>
鈴木一秀(すずき・かずひで)先生

麻生総合病院 スポーツ整形外科部長、医学博士。1990年、昭和大学医学部卒業。肩治療のスペシャリストとして、スポーツ整形外科、肩肘関節外科、関節鏡視下手術を専門分野とし、これまでに治療してきた患者数は6,000人を超える。日本肩関節学会代議員、日本整形外科スポーツ医学会代議員などのほか、早稲田大学ラグビー蹴球部のチームドクターも務める。著書に『「肩」に痛みを感じたら読む本』(幻冬舎メディアコンサルティング)。

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