安静にしていても痛い...初期の不調「急性期」は無理して動かすのは禁物です/四十肩・五十肩

40代を過ぎて、肩が痛い、腕が上がらないという時にまず思い浮かべるのが、四十肩・五十肩ではないでしょうか。「そのうち治るだろう」「年をとったから痛くなっただけ」と自分で判断し、放っておく人も多いですが、実は、いつ爆発するかわからない「爆弾」を抱えているのと同じ。気づかないうちに重症化していて、手術が必要となる場合もあるので、軽く考えるのは禁物です。

肩の仕組みをはじめ、四十肩・五十肩の原因や症状、予防法などを、麻生総合病院 スポーツ整形外科部長で、肩関節の治療を専門とする鈴木一秀先生にお聞きしました。

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痛みの質をよく判断して治療法を選択

四十肩・五十肩の初期にあたるのが、「急性期」と呼ばれる段階です。肩に炎症が起きていて、痛みが現れている状態です。肩や腕を動かす時の痛みに加えて、安静にしていても痛みを感じる場合もあります。対応を間違えると、痛みを長引かせたり、痛みが治まった後も肩が硬くなって動きが制限されたりするので、まず痛みの質を見極めたうえでの治療が必要となります。

【症状】
炎症が起こったばかりで痛みが激しく、肩を大きく動かすことができません。痛みは特に動作時に出ることが大半。日中は痛くないのに、夜に布団に入ると痛くなる「夜間痛」が出る場合もあります。

【治療法】
動作時、安静時、夜間のどのような時に痛むのか、また、激痛なのか鈍痛なのか痛みの種類によっても対処法が異なります。一つの基準として、動作時に痛い場合は四十肩・五十肩の可能性が高いですが、安静時に起こる激痛や刺すような痛み、鈍痛の場合は肩関節以外に原因のある病気も疑われます。

基本的には、痛みが出ている時は動かさず、「安静」を保つことが原則。「肩を動かさないと関節が固まってしまう」という情報も広まっていますが、痛いのを我慢して動かすと、症状を悪化させたり、腱板が切れてしまったりするので、無理に動かすことは厳禁です。

医療機関では、問診や触診で痛む箇所を確認した後、レントゲン撮影をすることが一般的です。加えて、肩への負担を軽減させる生活指導を行うほか、非ステロイド系の抗炎症薬の飲み薬や貼り薬を処方することも。痛みがひどく生活に支障がある場合は、ステロイドの内服薬を処方したり、関節部分に局所麻酔やステロイド剤やヒアルロン酸などを注射したりすることもあります。

 

【主なセルフケア】
●安静を保ち、痛みの少ない姿勢をとります。

●炎症を早く落ち着かせることが最重要。炎症のある部分は熱を持っているので、応急ケアなら冷やすのがおすすめ。

●寝る時は腕をそのまま伸ばして寝ると肩関節が伸展して負担がかかるので、タオルやクッションの上に腕を乗せて重みを預けると、肩への圧迫を解消できます。

●立っている時は、ポケットやベルトループに親指をかけて、ひじの角度が90度くらいになるようにすると、ラクになります。

●洋服は、Tシャツのようにかぶるタイプは着る時に腕を大きく動かすことになるので避け、前開きの服を着るようにするといいでしょう。

 

次の記事「肩の痛みが和らぐ第2段階「亜急性期」の対処で肩の将来が決まります/四十肩・五十肩(8)」はこちら。

取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>
鈴木一秀(すずき・かずひで)先生

麻生総合病院 スポーツ整形外科部長、医学博士。1990年、昭和大学医学部卒業。肩治療のスペシャリストとして、スポーツ整形外科、肩肘関節外科、関節鏡視下手術を専門分野とし、これまでに治療してきた患者数は6,000人を超える。日本肩関節学会代議員、日本整形外科スポーツ医学会代議員などのほか、早稲田大学ラグビー蹴球部のチームドクターも務める。著書に『「肩」に痛みを感じたら読む本』(幻冬舎メディアコンサルティング)。

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