トイレのたびにおしりを洗っているのは「過剰衛生症候群」かも!? おしりの洗いすぎで起こる「弊害」

【本作を第1回から読む】出したのにお腹が張るのは、おしりの「出口」で事件が発生!? 「出口の便秘」とは【チェックシート付】

『便秘の8割はおしりで事件が起きている!』 (佐々木みのり/日東書院本社)第6回【全6回】

慢性的に悩まされている人も多い「便秘」。しかし、便秘にまつわる情報には誤解が多かった? 便秘は「おなか(腸)」の問題と思われがちですが、その多くが「出口(直腸・肛門)」で起きていた...。『便秘の8割はおしりで事件が起きている!』は、大阪肛門科診療所副院長の佐々木みのりさんが、便秘の原因と対策をわかりやすい図解とともにやさしく解説してくれます。正しい知識を得て、スッキリ健康な生活を送りましょう!

※本記事は佐々木みのり著の書籍『便秘の8割はおしりで事件が起きている!』(日東書院本社)から一部抜粋・編集しました。


おしりの洗いすぎ問題、再び!

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温水洗浄の習慣化でおしりのトラブルが続出

少し前までは、医師たちも温水洗浄便座の使用を勧めていたので驚くかもしれません。ですが、近ごろ、おしりの洗いすぎやケアのしすぎによる弊害が問題となっています。おしりの洗いすぎは、痔をはじめさまざまなトラブルを招きます。洗いすぎることで皮膚を守っている皮脂膜がはがされて皮膚が乾燥してごわごわになり、かゆみの原因となります。さらに、温水洗浄便座の水圧によっても皮膚が傷つき、炎症が起こることも。ひどくなると皮膚がんを招いてしまい、まさに「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということに。おしり洗いは、ほ
どほどが大切です。

「過剰衛生症候群」のさまざまな弊害

温水洗浄便座による洗いすぎが原因と思われる症状は実に多様です。

・肛門が真っ白になる
・肛門が真っ黒になる
・シミやブツブツが出る
・肛門がつっぱる
・肛門がペタペタ・テカテカ・ヒリヒリ する
・切れ痔になる
・性病をうつされる など

こうした症状は入浴やおしりケア用品などによる過剰な衛生習慣も原因となっています。そのため、私はこれを「過剰衛生症候群」と名づけて学会でも発表しました。

あなたも過剰衛生症候群かも!?

次の衛生習慣について、該当するものにチェックを入れてください。もし1つでも該当する項目があったら、おしりの洗いすぎ、ケアのしすぎです。

温水洗浄便座について
・排便に関係なく、トイレに行くたびに使っている
・自宅以外のトイレでも使っている
・温水で肛門を刺激しながら排便している
・排便後は15秒以上洗浄している

入浴について
・肛門にシャワーを直接当てて洗っている
・肛門部や外陰部を手でこすって洗っている
・肛門や外陰部を石けんやボディーソープで洗っている

衛生習慣について
・おしり拭きやウエットティッシュなどを使って肛門を拭いている
・傷口用消毒液で肛門を消毒している

 

佐々木みのり
1912年創立、110年以上の歴史を持つ大阪肛門科診療所の副院長。肛門科女医の草分け的存在。1994年大阪医科大学を卒業後、大阪大学皮膚科学教室に入局。その後、4年間、大阪大学附属病院、大手前病院、東京女子医大病院などで皮膚科医として勤務した後、1998年に肛門科医に転身。同年7月には日本初となる「女医による肛門科女性外来」を開設。「痔=手術」という肛門医療業界において、痔の原因となった「肛門の便秘」を直すことによって「切らない痔治療」を実現。また、元皮膚科医という経歴を持つ異色の肛門科医として、同業の医師を対象に多数の講演を行っている。『痛み かゆみ 便秘に悩んだら オシリを洗うのはやめなさい』(2020年あさ出版)は3万部超えのベストセラーに。「2時ドキッ!」「おはよう朝日です」「痛快!明石家電視台」「世界一受けたい授業」などのテレビほか、多数のメディア出演あり。

※本記事は佐々木みのり著の書籍『便秘の8割はおしりで事件が起きている!』(日東書院本社)から一部抜粋・編集しました。

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