浮き指や偏平足(へんぺいそく)、外反母趾(ぼし)、痛みなど、足の不調の原因は、実は足指の力が鍛えられていないことにあります。進行すると、頭痛や腰痛、肩こりなど、全身にさまざまなトラブルをもたらす原因にもなり、改善のためには早めの対策が欠かせません。では、足指の力を鍛える必要があるのは、なぜでしょう? さいたま中央フットケア整体院院長で年間2000名の施術を行う足のプロ、冨澤敏夫先生にお話を伺いました。
前の記事「O脚、骨盤の歪み、めまい...足首のタイプから起こりやすい不調がわかる/足指力を鍛える(3)」はこちら。
足首のタイプによってトラブルの現れ方は異なります
前の記事の足の健康チェックで、思い当たることがあった人は、足の機能を正しく使えていません。グラグラ足首タイプは、全体的に筋力が弱く体をしっかりと支えることが苦手です。常に足首が緩く不安定で、めまいに似た症状を起こしやすい人も少なくありません。
ガチガチ足首タイプは、軽いねんざでも腫れが強く、大きなけがや骨折につながることがあります。また、足首が硬いために地面からの衝撃を過剰に受け、骨と骨がぶつかるような痛みを起こしやすくなります。
グニャグニャ足首タイプは、かかとの軸が内側に倒れ、体重が内側(足裏の親指側)にかかります。この状態で歩くと体重が片方に偏ることで痛みや不調が生じます。X脚の人に多く、歩いたり走ったりするときに足首の内側やひざの内側に痛みを感じやすくなります。
足裏チェックで足の健康状態を確認しましょう
足裏にも足の健康状態は表れます。前足部(下図参照)のタコなどは、ハイヒールを履く女性に多い症状。首への衝撃が強く起こり、めまいなどの自律神経系の不調につながります。後足部に出る不調は、腰が痛む方や太っている方に多く、腰痛や下半身のむくみなどの一因になります。下のイラストをもとに、自分の足裏の状態をチェックしてみましょう。
(1)かかとの角質がカサカサする、硬い、ひび割れがあるなどの症状の人は、かかとに体重が乗っています。猫背や足のむくみ、冷えなどの不調が生じやすくなります。
(2)ここにタコができている人は、体重が内側(足裏の親指側) にかかりやすいタイプ。外反母趾や扁平足になっている人も多く、足裏のアーチが崩れていることが多いです。
(3)よく歩く人、活動的な人はこの位置にタコがあったり、痛みを感じている場合がよくあります。放置すると、モートン病や、ひざ痛を起こすことがあります。
取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/はせがわめいた
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冨澤敏夫(とみざわ・としお)先生
さいたま中央フットケア整体院院長、柔道整復師。年間2000名の施術を行う足のプロ。著書に『《不安定足首》と《ペンギン歩き》を治せばしつこい「足の痛み」は消える!』(現代書林)。