一酸化窒素「NO(エヌオー)」と「カリウム」が決め手! 「血圧を確実に下げる」10の方法【まとめ】


カリウムを積極的に摂って
塩分を出す力を高める

「血圧を下げるための基本は減塩ですが、過剰な塩分を体の外に排出する"塩出し力"の強化を併せて行うのがおすすめです」と、市原先生。

塩出し力を高めるのに活躍するのが、ミネラルの一種であるカリウムです。

カリウムは、腎臓での塩分(ナトリウム)の再吸収を抑制して、ナトリウムを尿として排出してくれます。

「食べた塩分を出すには、カリウムを摂るよう意識を。塩分を体の外へ出すように努めることで、血管の健康につながり、血圧が下がります」。

塩出し力の高い食品を、積極的に食事に加えましょう。

「歯ごたえのあるものをよく噛んで食べることもNO(※)の産生量を増やします」と、市原先生。

切り方を大きくするなど、しっかり噛む献立も血圧降下に役立ちます。

また、カリウムは流出しやすいので上を参考に、調理法も工夫しましょう。

一つ一つは小さなことですが、継続することで血圧が安定し、将来の体調が変わってくるでしょう。

(※)血管の内皮細胞から産生されるNO(一酸化窒素)は、別名、血管拡張ガスともいわれます。血管を拡張させ、血流を調節する作用があります。

塩出し力を高める調理術

切り方は大きめに
野菜を細かくカットして水にさらしてしまうと、カリウムはどんどん流出。大きめにカットすれば噛む回数も増え、食べごたえもアップ。

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ゴシゴシ洗いNG
カリウムは野菜の皮に多く含まれます。そのため、タワシでゴシゴシこすり洗いをしたり、もみ洗いをすると流れ出てしまうのでご注意を。

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ゆでるより蒸す
カリウムはゆでると3分の1から3分の2量が流出。火を通すなら、蒸し器や電子レンジでの調理を。下ゆでせずスープにしてもいい。

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皮ごと食べる
野菜に含まれるカリウムを最大限に摂るためには、丸ごと食べるのが正解。根菜にはカリウムが豊富なので、できるだけ皮ごと食べて。

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詳しい記事はこちら:減塩が厳しいのならカリウムを味方につけて血圧降下へ! 塩出し力をアップさせる4つの調理術

 

<教えてくれた人>
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授
市原淳弘(いちはら・あつひろ)先生
専門は内分泌疾患全般および高血圧診療。特にホルモン異常による高血圧、閉経期以降の高血圧など。著書、テレビ出演多数。

この記事は『毎日が発見』2021年5月号に掲載の情報です。

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