高齢者はインフルエンザが重症化しやすい! 起こりやすい二次感染とは?

今年もインフルエンザのシーズンが到来しました。昨シーズンは流行のピークが早く、12月に一気に患者数が増え、重症化により入院した人が例年より増加しました。その大半を占めたのが60歳以上の方々です。インフルエンザの気を付けるべき症状、予防方法について国立感染症研究所感染症疫学センター第2室室長の砂川富正先生にお聞きしました。


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重症化は高齢者に多い。日頃元気でも注意が必要

インフルエンザは、免疫力の弱い乳幼児や高齢者が重症化しやすいと言われますが、入院の必要な重症化に至る人は、60歳以上の方が圧倒的に多いのです。
「ご高齢の方は、基本的に若い方よりも免疫力が弱く、インフルエンザによって免疫力がさらに低下することで、他の細菌による肺炎などの二次感染を起こしやすいのです。結果として命の危機につながります。インフルエンザ予防をぜひ心掛けていただきたいと思います」と、砂川先生は話します。

肺炎を引き起こす代表格は「肺炎球菌」です。65歳以上の方は5年ごとに肺炎球菌ワクチンを定期接種で受けることができます。ワクチン接種をしていないと、インフルエンザになったときに肺炎球菌にも感染しやすいのでご用心。また、日頃から健康な方でも、インフルエンザにかかると重症化することがあるので油断は禁物です。
「乳幼児は、インフルエンザになると発熱などの症状が顕著ですが、ご高齢の方は、なんとなく元気のない状態でいきなり肺炎を起こすことがあります」と砂川先生は警鐘を鳴らします。

 

◆ご存じですか「インフルエンザ」

「インフルエンザ」とは?
インフルエンザウイルスを病原とする、気道感染症 (呼吸器に起こる感染症)の一つの症状。
「一般のかぜ症候群(普通感冒)」とは分けて考えるべき「重くなりやすい疾患」とされている)


◆「インフルエンザ」と「かぜ」の違いは?

インフルエンザ
【感染経路】飛沫感染、 接触感染
【主な症状】発熱、 筋肉痛、 関節痛、 全身倦怠感、 強い悪寒
【発熱体温と期間】38°C以上で3~4日間くらい
【合併症】気管支炎、 肺炎、 脳炎など
【病原】インフルエンザウイルス A型、B型、C型
【その他】症状は急速に現れる。 子どもや高齢者は重症化する危険性がある。

普通感冒 (かぜ)
【感染経路】主に接触感染
【主な症状】くしゃみ、鼻汁、鼻づまり、 軽い悪寒
【発熱体温と期間】微熱もしくは37°C台くらいまで
【合併症】なし
【病原】ライノウイルス、アデノウイルスなどさまざまなウイルス
【その他】筋肉痛や倦怠感などの全身症状はあまりない。 重症化することは少ない。

 

次の記事「くしゃみや咳、接触で感染する! インフルエンザは手洗い&マスクで予防しよう(2)」はこちら。

取材・文/安達純子

 

 

<教えてくれた人>
砂川富正(すながわ・とみまさ)先生

国立感染症研究所感染症疫学センター第2室室長。琉球大学医学部卒。大阪大学大学院医学研究科博士課程修了。 医学博士。2002年より国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官。感染症の調査・対応を数多く行い、2013年より現職。

この記事は『毎日が発見』2018年11月号に掲載の情報です。

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