インフルエンザなどの感染症が猛威を振るう季節となり、いつにもまして細菌やウイルスに敏感になってる方も多いのでは? マスクなどの抗菌グッズで身を固め、暇さえあれば除菌、殺菌......。そんな清潔すぎる国・日本は危ないと、『手を洗いすぎてはいけない 超清潔志向が人類を滅ぼす』の著者であり、医師の藤田紘一郎氏は警鐘を鳴らしています。
物質的に豊かで、衛生面でも管理が行き届いた日本。そんな恵まれた環境の中、藤田氏は「日本人は感染症にかかりやすくなってきている」と指摘。そして問題なのは、そのことにほとんどの人が気付いておらず、「手を洗いすぎる人ほど風邪をひきやすい」という事態を招いてしまっていることだといいます。
落ちたものを食べて免疫力を高める?!
"3秒ルール"をご存じでしょうか?「床に落とした食べ物でも3秒以内だったら大丈夫」という都市伝説のようなルールのことです。実はこの"3秒ルール"、多少の違いはあるものの、国境を越えて存在しているんだそう。アメリカでは"5秒"とされ、"ファイブ・セカンド・ルール"と呼ばれています。藤田氏によると、"3秒ルール"は落ちた場所さえ気を付ければ、むしろ体に必要な菌を取り込むための絶好の機会だとか。
レストランや台所の床に落ちたものは食べないけれども、家庭のテーブルや居間の床に落ちた程度のものなら食べる、というTPOにあわせた「三秒ルール」を実践するのが、腸内フローラや免疫力の育成にも、子どもの教育にもよい影響を与えるだろう、と私は考えています。
免疫力を高めるためには、身の回りの菌に対して寛大になることが必要とのこと。新たな意味での"菌活"をはじめてみませんか。
文/銀 璃子
(藤田紘一郎/光文社)
世界でも有数の"超清潔大国"である日本。きれいすぎることが、日本人の免疫力を弱めている?! 医師である著者が"強い体づくり"の極意を紹介します。