長時間のゲームや運動不足...普段の日常生活の中に肩を痛める原因が潜んでいる/四十肩・五十肩

40代を過ぎて、肩が痛い、腕が上がらないという時にまず思い浮かべるのが、四十肩・五十肩ではないでしょうか。「そのうち治るだろう」「年をとったから痛くなっただけ」と自分で判断し、放っておく人も多いですが、実は、いつ爆発するかわからない「爆弾」を抱えているのと同じ。気づかないうちに重症化していて、手術が必要となる場合もあるので、軽く考えるのは禁物です。

肩の仕組みをはじめ、四十肩・五十肩の原因や症状、予防法などを、麻生総合病院 スポーツ整形外科部長で、肩関節の治療を専門とする鈴木一秀先生にお聞きしました。

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ちょっとした動きが痛みを引き起こすことも

四十肩・五十肩の医学的な原因はまだ解明されていませんが、多くの場合、肩の関節への負担が蓄積されることで炎症を引き起こしているといわれています。肩をよく使う仕事に就いていたり、スポーツ選手が発症することはもちろん多いのですが、一般的には、ちょっとした生活習慣に起因する場合がほとんどだと考えられています。

例えば、以下のように肩の関節に負担を強いる生活を送っていると、今は何でもなくても、将来的に発症する恐れが高まるので注意しましょう。

・姿勢が悪い
・パソコンやスマホといった腕や肩を使う動作を長く続ける
・運動をあまりしない
・椅子に座って作業している時間が長い
・長時間、ゲームをしている

 

特に最近は、「スマホ肩」という言葉をよく聞くようになったと、鈴木先生。これは、スマートフォンを長時間使うことによって首や肩に凝りや違和感、こわばりなどを感じる症状のこと。歩いたり、寝ころんだりしながらスマートフォンを使う若者も多いことから、肩の不調が低年齢化している傾向も見られるそうです。また、ゲームや学習の時間が長くなったことも低年齢化の理由の一つ。最近は「30代で、四十肩・五十肩と同じような症状を訴える人も増えています。このままではやがて『三十肩』」という症状が一般的になるかもしれません」と、鈴木先生は危惧しています。

また、ちょっとした日常の動きが、発症につながる場合もあります。鈴木先生によると、病院に来た人の中には、「後ろのものを取ろうとして腕を伸ばしたら肩にズキンときた」「駐車場のチケットを取ろうとしたら腕がなんとなく痛かった」「ずっと片方の肩を下にして寝ていたら痛くなった」など、思い返すと、"そういえば"といった肩の不調に心当たりがある人も。何気ない動作で、肩の関節や腱板が傷ついてしまうこともあるのです。

「毎日の家事でも気をつけられることは多くあります。例えば、掃除機のかけ方一つでも、前屈みになって腕だけ動かすのではなく、体全体を前・後ろに動かすように。洗濯物も高いところではなく、低めのところに干したりするといいですね」と、鈴木先生。

「普段の日常生活の中に肩を痛める原因が潜んでいることを意識しておくだけで、少しずつ負担は減らせるのです」。

 

次の記事「知ってる? 四十肩・五十肩と、肩凝りとの違い/四十肩・五十肩(4)」はこちら。

取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>
鈴木一秀(すずき・かずひで)先生

麻生総合病院 スポーツ整形外科部長、医学博士。1990年、昭和大学医学部卒業。肩治療のスペシャリストとして、スポーツ整形外科、肩肘関節外科、関節鏡視下手術を専門分野とし、これまでに治療してきた患者数は6,000人を超える。日本肩関節学会代議員、日本整形外科スポーツ医学会代議員などのほか、早稲田大学ラグビー蹴球部のチームドクターも務める。著書に『「肩」に痛みを感じたら読む本』(幻冬舎メディアコンサルティング)。

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