放置すると関節の破壊が進行し、全身に症状が広がる「関節リウマチ」。早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。「関節リウマチ」について、東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター所長の山中寿先生に聞きました。
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自分の免疫に攻撃される! 変形性関節症と異なる原因
関節リウマチと変形性関節症は、原因に大きな違いがあります。関節は、骨と骨とのつなぎ目で、骨の先端は軟骨という柔らかい組織で覆われ、変性性関節症は、軟骨がすり減ることで痛みが生じます。軟骨はクッションのような役割を果たしているため、それがすり減ると、骨同士がぶつかって痛みが走り、骨が変形するようなことも起こるのです。
一方、関節リウマチは、自身の免疫が、関節を包む滑膜(かつまく)を敵と見なして攻撃することが原因になります。免疫は、外部から侵入するウイルスなどから身を守るために重要な働きをしていますが、免疫が滑膜を敵と見なして攻撃対象とするのです。
「関節リウマチは、自己免疫疾患の一つであり、自然に治る病気ではありません。免疫に攻撃され続ける滑膜は炎症がひどくなり、その炎症によって関節組織や骨も破壊されていくのです。炎症は、指やひざ、ひじなどの全身の関節に及びます」と山中先生は説明します。
変形性関節炎では、一つの関節など痛みは限定的ですが、関節リウマチでは、全身の関節の滑膜に炎症が及ぶため、大きな関節から小さな関節まで広い範囲で痛みなどの症状が起こります。ただし、同様に自己免疫が関係する全身性エリテマトーデスなど、関節炎を伴う別の病気も。
「原因によって治療法は異なります。関節リウマチが疑われるときには、専門医を受診していただきたいと思います」と山中先生。
【関節のしくみ】
【関節リウマチかどうかの見分け方は?】
●関節リウマチで痛みが出やすい箇所
▲変形性関節症による痛みが出やすい箇所
◆外反母趾、痛風などで痛みが出やすい箇所
(1)関節の「腫れ」に着目すべし!
炎症によって、関節が腫れて熱っぽく、触るとプヨプヨと柔らかいのがリウマチの特徴。
(2)手の指の関節は症状の注意深い観察が必要
関節リウマチの症状は、手の場合、指の付け根、真ん中の第二関節に出やすい。
(3)足の親指以外に症状がある場合は要注意
足の親指の付け根に症状が出やすく、それ以外の関節にも症状が出るときには要注意。
(4)痛みが大きな関節ならリウマチとは限らない
ひざや肩といった大きな関節だけの症状は、変形性関節症や五十肩が疑われます。
【「関節リウマチ」と 「変形性関節症」の違いは?】
●関節リウマチ
- 高齢になってから発症する人もいるが、30~50歳代での発症が多い
- 痛みの原因は「滑膜の炎症」
●変形性関節症
- 加齢とともに発症する人が増える
- 痛みの原因は「軟骨がすり減ること」
関節リウマチは、自己免疫が関節の滑膜を敵と見なして攻撃することで炎症につながります。変形性関節症は、軟骨がすり減ることで生じます。炎症の原因に大きな違いがあるのです。
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取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史
山中寿(やまなか・ひさし)先生
東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター所長。三重大学医学部卒。米国スクリプス・クリニック研究所研究員などを経て、2008年より現職。関節リウマチ患者を対象とした大規模調査などの研究成果で、2012年度に日本リウマチ学会学会賞を受賞。