昼寝は睡眠不足解消に効く! 上手な午睡で心身の健康を維持しよう/眠りの新常識

pixta_27142007_S.jpg成人の約5分の1が「不眠」と言われる現代。市場には「快眠」のための情報やグッズが溢れています。しかし実は睡眠に関しては多くの誤解や不正確な情報が氾濫しているのが現実です。精神神経学・睡眠学・時間生物学の第一人者が、中高年男女のための「快眠法」を伝授。本当にぐっすり眠りたい現代人のための「睡眠ガイド」です。

※この記事は書籍『睡眠学の権威が解き明かす 眠りの新常識』(KADOKAWA)からの抜粋です。

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前の記事「睡眠不足の証拠は日中の強い眠気。 40代からは体内時計に合わせた生活を/眠りの新常識(1)」はこちら。

 

【実例:女性40代の睡眠のケース】
ずっと睡眠不足気味の毎日が続いているように思う。このままで健康が保てるのだろうか。
子どもが受験して私立中学に入ってからは、学校が遠いうえに授業の始まりがさらに早くなった。子どものお弁当をつくってあげるのに4時起きしなくてはならなくなった。大変だけれど、受験で頑張った息子のためこれだけはやってあげたい。

夫や子どもが出かけたあとは掃除やら洗濯やら買い物があり、そうこうするうちに夕方になって夕食の支度を始める。夕食が終われば後片付けをして子どもにつきあい、ようやく寝かしつけた頃にはかなり遅い時刻になる。夫の帰宅が遅ければ、寝床に入るのはさらに遅くなる。

子どもと夫を送り出したあと、午後の早い時刻に、ほっとして強い眠気に襲われて、ついついソファで居眠りをしてしまう。2時間以上眠ってしまうこともある。昼寝してしまうということは、よほど睡眠が不足しているのではと心配になる。

 

●原因・背景
子育て中の女性の多くがこのような生活でしょう。平日の夜の睡眠時間は5時間程度といったところでしょうか。これが毎日ではさすがに睡眠不足になります。そして疲れも取れない、日中には眠くなってしまうことが多いと思います。

睡眠不足を無意識に補っているのが、ひとりになったときの昼寝です。1~2時間眠ってしまうということは、そのくらい睡眠が不足しているということになります。

一方で、これは昼間の時間帯に睡眠不足をうまく補っているとも言えます。昼の1~2時間と夜の5時間を足すと、6~7時間になります。先ほど45歳の睡眠時間の平均が6.5時間という話をしましたが、これに当てはまってくるのです。

昼の睡眠で埋め合わせがつくかどうかについては、わからない点が多いのですが、日本の女性が長寿であることを考えると、それなりに悪くない補い方と考えてよいと思います。

日中に我慢ができないほどの眠気でやむなく眠ってしまう。1~2時間でも睡眠不足を補うことで、なんとかうまく過ごすことができているのでしょう。

なお、女性でも仕事を持っている場合は、同世代の男性と似たような傾向と対策になります。

 

●対策のポイント
睡眠は大切なものです。昼間にハツラツとして過ごすため、長い目で見て心身の健康にとって極めて重要な休養です。これがうまく取れないと、いろいろな問題が起こってきます。しかし、睡眠が人生で一番大切かというと、これは常に2番目で、一番重要なものはその人にとっての目標、生きがい、楽しみなどでしょう。睡眠が人生で一番重要なものと考えるようになるのが、不眠症による考え方のゆがみの特徴です。

昼寝については、産業医学的な事実はいくつかあり、午後の早い時刻の15~30分程度の昼寝は、その後の作業効率を上げるということがわかっていますが、健康に対する影響などについてはよくわかっていません。体質的に昼寝ができる人とできない人もいるので、無理に昼寝をしようとする必要はありません。

昼寝が2時間もできるということは、やはり睡眠不足がある場合が多いので、睡眠スケジュールについて見直す必要があります。

女性では、閉経期になるまで、女性ホルモンが空気の通り道である気道のはりを高めてくれているので、睡眠時無呼吸症候群は男性ほど多くありません。

 

次の記事「朝型化し、夜更かしがツラくなる男性の50代。眠くなったら寝床に入るのが〇/眠りの新常識」はこちら。

内山 真(うちやま まこと)

1980年、東北大学医学部卒業、東京医科歯科大学精神神経科研修医。91年、現・国立精神・神経医療研究センター室長、 92~93年、ドイツ・ヘファタ神経学病院の睡眠障害研究施設に留学、同センタ一部長を経て、2006年より日本大学医学部精神医学系主任教授。著書に、「睡眠学の権威が解き明かす 眠りの新常識」(KADOKAWA)「名医が教える不眠症に打ち克つ本」(アーク出版)、「睡眠のはなし」(中公新書)、「睡眠障害の対応と治療ガイドライン第2版」(じほう)、『別冊NHK きょうの健康 睡眠の病気」」(NHK出版)など多数。NHK 「きょうの健康」 をはじめ、メディアヘの出演も多い。日本睡眠学会理事長、日本臨床神経生理学会理事、日本時間生物学会理事、日本女性心身医学会監事、日本精神神経学会代議員など。


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『睡眠学の権威が解き明かす 眠りの新常識』

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この記事は『睡眠学の権威が解き明かす 眠りの新常識』からの抜粋です
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