昼間なのに眠くて仕事が進まなかった経験は、誰にでもあると思います。「ウーマンウェルネス研究会supported by Kao」が平日の昼間に仕事をしているビジネスパーソン668名(全国の20~50代の男女)を対象にした調査によると、日中に眠気やだるさを感じている人の割合は、実に83.6%もいることがわかりました。
そして、そのうちの91.1%が、仕事のパフォーマンス低下を感じているそうです。また、多くの人が特に眠くなりやすい「魔の時間帯」も特定されました。
日中なのに、どうして眠くなってしまうのでしょうか? また、どうすれば昼間の眠気を防げるのでしょうか?
「魔の時間帯」は月曜日の午前中から15時にかけて
調査によれば、最も日中の眠気やだるさを感じやすいのは、月曜日の午前中から15時にかけてでした。
日中の眠気やだるさに関する意識調査より
「週明けの不調は土日の過ごし方が原因と考えられます」と語るのは、睡眠専門医の白濱龍太郎先生。 「週末に昼まで寝たり夜更かしをしたりして生活リズムが崩れてしまうと、無理やり平日のリズムに戻す月曜日につらく感じることになります。逆に、週末も生活リズムを崩さずしっかり休息できている人にとっては、月曜午前中は仕事がはかどりやすい時間帯といえるでしょう」とのこと。
実際、月曜日の午前中は「最も仕事がはかどる時間帯」にもランクインしていて、土日の生活リズムが週明けに大きく影響することがわかります。
日中の眠気やだるさに関する意識調査より
白濱先生によれば、日中の眠気やだるさを防ぐために大切なのは「夜にしっかり休息をとり、身体の疲労を回復させるとともに、意識的に昼間の覚醒レベルを上げること」なんだそうです。
ここからは、そのためにできる生活の工夫を夜と昼に分けてご紹介します。
「魔の時間帯」対策・夜編~しっかり休む
夜に疲れを取るには、寝付きをよくすることが大切です。人間の体は体温が下がると眠りにつきやすくなるので、お風呂でいったん体温を上げ、その後に自然と放熱させるのが効果的です。寝る1時間ほど前までに、ぬるめのお湯につかるといいでしょう。
忙しくてゆっくりお風呂につかる時間がない方には、炭酸入りの入浴剤がおすすめです。この入浴剤を入れると、何も入れていないお湯の2/3程度の時間で、同じくらい温まるんだそうです。
また、夜遅くまで仕事をしていると、目が冴えてしまうこともあると思います。そんなときは副交感神経を優位にすると、リラックスして眠りにつきやすくなります。具体的には、蒸しタオルやホットアイマスクなどで目元を温めるのが有効です。緊張がほぐれて、心身を「おやすみモード」に切り替えやすくなります。
「魔の時間帯」対策・昼編~すっきり過ごす
どうしても眠くて仕事がはかどらないときは、思い切って昼寝をしてみましょう。夜の睡眠に影響が出ないよう、昼寝の時間は15時より前、時間も15~20分間程度にしてください。昼寝前にお茶やコーヒーなどでカフェインをとっておくと、すっきりと目が覚めます。
昼寝もできない場合は、リラックスするのとは逆に、交感神経を刺激するのも手です。電話をかけたり人と会ったりして心身を適度な緊張状態に持っていくと、意識がクリアになります。歯磨きや軽いストレッチなど、感覚器官への刺激も効果的です。
昼間に眠くならないためには、「昼起きて夜眠る」という生活リズムの基本をしっかり守ることが大事です。みなさんも、今回ご紹介した方法で「魔の時間帯」を乗り切りましょう!
文/米沢優利子