年々症状を訴える人が増えているドライアイ。現在、日本では2000万人の患者がいるとされています。スマートフォンやパソコンで長時間目を酷使する生活も一因といわれるドライアイは、いったいどのように治療すればよいのでしょうか。防ぐ方法はあるのでしょうか? 眼科専門医の平松類先生に、日常的にできる目のケア方法を教えていただきました。
ドライアイとは涙の分泌量が減ったり、涙の質が低下したりすることによって、目の表面を潤す力が低下した状態をいいます。
目の乾燥感、目が疲れる、ゴロゴロする、まぶしいなど、さまざまな不快感を生じます。
視力の低下、慢性の頭痛や肩こり、全身の倦怠感、うつ状態に至る場合もあり、生活の質を著しく下げます。
ドライアイの検査は、涙の量を調べる「シルマー試験」があります。
専用のろ紙をまぶたの縁に挟んで、5分間でどのくらいぬれるかを調べます。
また、スリットランプと呼ばれる顕微鏡で、涙の安定性、目の表面の角膜や結膜の状態を見ます。
治療には人工涙液、ヒアルロン酸などの点眼薬のほか、涙の質を良くする最新の点眼薬「ムコスタ」や「ジクアス」が処方されます。
点眼薬で改善しない場合は、保険適用である「涙(るい)点てんプラグ」という治療法もあります。涙の排出口「涙点」をシリコーン製の栓でふさぎます。
まばたきを意識的に増やす、エアコンの使い過ぎなど乾燥に注意する、目を温めて血流を良くするなど、ドライアイは生活環境や習慣を見直すことで、防ぐことができます。
■日常的にできる目のケア方法
・1回5分、1日2回、目を温める→「マイボーム腺」を温めることで油の分泌が良くなる。
①タオルを水にぬらして軽く絞る
②600Wの電子レンジで40秒温める
③目をつぶり、まぶたの上に置く
※マイボーム腺:まつげの根元辺りにあり、油分を分泌する。
※市販のホットアイマスクもある。
※両手を10回ほどこすり合わせて、摩擦で温まった手のひらをのせても良い。
・目の周りをきれいにする→マイボーム腺が詰まると、涙が乾きやすくなる。
きれいなタオルやガーゼでまつげの生え際の汚れを優しく拭き取る。
※市販の目元用洗浄綿やアイシャンプーもある。
・1日3分程度、視力回復法「ガボール・アイ」を行う→目で見えた情報を処理する脳を鍛える
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構成・取材・文/古谷玲子(デコ)