冬になると外出が減りがちです。暖房の効いたお家で糖質の多い、お正月のお楽しみのおもちやみかんを食べて、運動しない生活では、体に脂肪がつき糖尿病の原因に。糖尿病を予防・改善するには生活を見直すことが必要です。長年、糖尿病の治療を行っている栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅先生に、薬に頼らずに血糖値を下げるための生活習慣にいて聞きました。
Q 糖尿病予防の入浴法はありますか?
A 血糖値を意識した二つの方法がおすすめです。
入浴するときには二つのポイントがあります。
一つ目はお湯の温度を少しぬるめの39~40度ぐらいにして、ゆっくりと10分ほどつかることです。
血糖値が高いと、血流が悪くなっていることがあります。
湯船につかると全身が温められて、血流が良くなります。
二つ目は炭酸入りの入浴剤を入れることです。
皮膚から炭酸が吸収されて血管を広げるため、血流がさらに良くなります。
Q 糖尿病にお酒はよくないのでしょうか?
A お酒の種類に気を付けて飲むようにします。
ビールや日本酒などの醸造酒は、糖質が多いお酒。
血糖値を上げるので控えめにします。
代わりに、糖質を含まない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を飲みましょう。
飲み過ぎに気を付ければ、血流を良くして代謝を上げ、インスリンの分泌を促す働きがあります。
ただし、果汁入りのチューハイは、果物の糖質が含まれているので控えるようにします。
砂糖の多い梅酒も避けた方がいいです。
Q 鍋料理を食べるときに気を付けることは?
A 最後の雑炊は食べ過ぎに注意します。
鍋料理は体が温まり、たんぱく質や野菜がたくさん摂れるので、冬に取り入れたい料理です。
たんぱく質の具として、骨付きの手羽先や殻付きのえびなどを入れると、食べるのに時間がかかるため血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
残り汁にご飯を入れた雑炊は、食べ過ぎに気を付けることです。
あらかじめ食べる分のご飯を茶碗に入れて用意しておけば、食べ過ぎを防げます。
Q 血糖値が上がらないおやつは何がいいですか?
A お米や小麦粉が含まれているものは避けます。
おやつにおせんべいを食べる人がいますが、おせんべいは原料に米が使われているので、糖質が多く、血糖値が上がりやすいお菓子です。
クッキー、菓子パンも、小麦粉や砂糖が使われていて糖質が多いです。これらのお菓子はなるべく食べないようにします。
おやつには「高カカオチョコレート」や、ナッツ類のアーモンド、ピーナツなどが適しています。
取材・文/松澤ゆかり