「最期まで密度の濃い人生を送るために必要なのは、体・食・心のバランス」という医師で作家の鎌田實先生。被災地支援を継続的に行なっている鎌田先生に、「世界中の人々の健康と笑顔のためにやっている」というご自身の活動について語っていただきました。
体・心・食のバランスで世界中に健康と笑顔を広げたい
西日本豪雨後、さだまさしさんと茅野市の「レストランピーター」のシェフ三兄弟と支援活動で岡山県総社市へ。東日本大震災直後に東北で支援を開始
鎌田先生はチェルノブイリ原発事故の被災地支援、イラクの病児をサポートする支援、東日本大震災後の東北支援、最近では2018年の西日本豪雨の被災地支援などを継続的に行っています。
「紛争、災害、事故などで困った人々の姿を見ると、ほんの少しでも自分が役に立つことがあれば...と思い、体が動いてしまうんです。医者として避難所や難民キャンプで支援する経験を何度も何度も積み重ねているうちに、健康づくりに国境もなければ、言葉の壁もないと思いました」という鎌田先生は、日本の避難所と同じことがイラクの難民キャンプでも起こっていると指摘します。
「もともとイラクは野菜と穀類は多いけれど塩辛く油っこい食事が中心。お酒の代わりに甘いものが大好きです。難民キャンプではやることがないので過食、運動不足になり、不安やイライラでストレスも多い。
ある意味では日本と同じ状態です。だから僕は世界中どこに行っても、同じことをして健康づくりの輪を広げています。
筋活、骨活、ベジ活、たん活、夢活...。つまりスクワットやかかと落としで筋肉と骨を鍛えること、減塩で野菜中心、たんぱく質豊富な食事を取ること、そして夢や目標に向かって生きることが、世界共通、人種に関係なく大切なのです」
イラク国内のシリア人難民キャンプでも健康づくりセミナーを開催し、スクワットが大好評
支援の取り組みがどんどん広がっていく
15年間病気で苦しむ子どもたちのために医療を提供し続け、
ついに今年子どもと家族の支援施設JIM-NETハウスが完成。
代表を務めるJIM - NET(ジムネット)は、イラクの病気の子どもたちや、戦争で傷ついた子どもたちを助けるために15年間、日本でチョコレート募金(下記参照)などを行いながら、現地の小児病院へ抗がん剤や診断機器などを支援しています。
2019年5月にはかねてからの念願だった小児がんの子どもと、その家族の支援施設「JIM -NETハウス」を日本政府の協力の下で新設しました。
施設はカラフルな外装で鉄筋コンクリート3階建て、延べ床面積370平方メートル。
最上階には、遠くから治療を受けに来た家族が安心して寝泊まりできるベッド20台を置き、子どもたちが遊んだり勉強したりできる場所も確保。
医療費や通院手段などの相談コーナーも設けたそうです。
JIM -NETハウス完成式典のようす
施設の完成を祝う式典が現地で開かれ、入院中の子どもや家族、イラク政府高官、県知事、日本政府関係者、アルビル保健局、医療関係者、ボランティアの人々など約150人が出席しました。
「イスラム国に家を占領されシリアから親子で逃げる途中で熱を出した娘さんを病院に連れていったところ白血病だと分かり、命からがらアルビルの小児病院に来て治療を始めたそうです。その父親から『家を失い、さらに娘の白血病と繰り返す絶望の中、たくさんの人に支えられながら生きてきました。日本のことで知っているのは素晴らしい技術を持つトヨタとニッサンでしたが、日本人の優しく温かな人柄を知りました』と声をかけられたことがうれしかったなあ」と鎌田先生。
鎌田先生の呼びかけに応え、日本でのチョコレート募金に賛同した人は延べ100万人にも及びます。その優しい心が国境を超えて病気や紛争に苦しむ人々に届いているのです。
参加者で白血病を治療中のシリア難民、ペラーちゃん(6歳)
チョコレート募金2020が始まります!
鎌田先生が代表を務めているJIM-NETでは、イラクやシリア、そして福島の子どもたちへの医療支援のために、毎年「チョコレート募金」を行っています。
缶のかわいいイラストは子どもたちが描いたもので、中には六花亭のおいしいチョコレートが入っています。
4缶セットで2,200円。クリスマスやバレンタインのプレゼントなどにいかがでしょうか!?
■受け付け:11月15日(金)から。
■申し込み:JIM-NETホームページ、または、チョコ募金受付専用電話番号電03-6908-8473(平日10:00〜16:00)へ。