ダイエット効果や健康効果が多くのメディアで注目されている食材、「もち麦」。なぜもち麦が身体にいいのか? ダイエットしたい人にオススメなのかを、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生がわかりやすく解説します。
もち麦によって2週間で変わる体を、あなたも感じてみませんか?
※この記事は『2週間で体が変わる「もち麦」ダイエット』(小林 弘幸/KADOKAWA)からの抜粋です。
前の記事「もち麦がすごい理由は「β-グルカン」のもつ4つのパワーだった! /もち麦ダイエット(3)」はこちら。
糖質制限ダイエットをしている人にもち麦が必要な理由
糖質を制限すれば、1.血糖値が上がりにくくなり、2.余分な糖が抑えられ、3.ダイエットや糖尿病予防になる。こういった考え方から、おもな糖質であるごはんやパンといった主食の量を減らす人が増えています。なかには、まったくとらない人も......。
極端に糖質を制限した弊害はいまだはっきりしていませんが、糖質を大幅に減らした結果、穀類から摂取していた食物繊維量が減り、便秘などの不調を抱える人も増加中。
また、糖は脳を働かせるブドウ糖の原料になるので、極端に減らすと思考力や集中力といった脳の機能を鈍らせます。
糖質制限をするならもち麦を。豊富な食物繊維によって、血糖値の極端な上昇を防ぎつつも、脳に必要なブドウ糖も確保できます。
糖質制限ダイエットの落とし穴
1. 食物繊維不足で腸内環境が悪化、便秘がちに
2. 筋肉量が減る(糖の代わりに筋肉を分解してエネルギーにするため)
3. ブトウ糖不足で脳の働きが悪くなる
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もち麦を取り入れることで解決できる!
もち麦にはほかにもこんな働きがあります
豊富なビタミン、ミネラルが摂取できる
もち麦を含む大麦のカルシウム量は白米の約3倍、カリウム量は白米の約2倍。どちらも加齢とともに体内量が減ってくるので積極的にとりたい成分です。脂質代謝に不可欠なビタミンB群や抗酸化に必要なビタミンEも多く含まれるので、日常的にとることで、アンチエイジングにつながります。
免疫力がアップ!風邪や感染症、アレルギーの予防と改善に
β ― グルカンが腸を刺激することで、さまざまな免疫細胞が活性化することが最近の研究でわかってきています。免疫力が下がると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるほか、最近では、花粉症などのアレルギー症状、がんなどにも関連があることがわかりつつあります。
高血圧を予防したり血圧を下げる働きに注目
血糖値が高く、血中にインスリンがたくさんあると、ナトリウムや腎臓の働きに影響し血圧が上がりやすくなります。
また、太って脂肪細胞が肥大化すると、肝臓から出るはずの血圧を上げる物質が、脂肪細胞からも分泌されるようになります。そのため太ると血圧が高くなるのです。もち麦のβ ― グルカンによって血糖値を下げ、内臓脂肪を減らせば、高血圧の予防にもなります。さらに、最近の研究ではもち麦には高血圧の上昇を抑制する働きがあるのではないかと注目されています。
美肌をつくるビタミンE、ポリフェノールを含有
もち麦を含む大麦には、活性酸素を抑え、乾燥肌対策に役立つビタミンEも含まれています。食物繊維によって便秘も改善されるので肌の調子も上向きに。また、もち麦のなかでも紫色の外皮を残しているものは、しみ、しわ予防に役立つ抗酸化成分のポリフェノールを含んでいます。
もち麦が糖尿病治療にも活用できる!?
血糖値の上昇を抑えるもち麦は、糖尿病治療でも活用されつつあります。とくにインスリンの効きが悪くなっている糖尿病患者の血糖値コントロールに有効。また、糖尿病治療では血糖値を下げる薬の効きすぎで意識がもうろうとする低血糖が問題になっています。ゆるやかに糖質を吸収できるもち麦なら、低血糖予防にもつながると期待されます。
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