ほとんどが親と別居している今の40~60代。働き盛り&子育て真っ最中なのに、突然、親に介護が必要になったらどうすればいい? 介護の制度やお金のことなどがわかるガイドブック『図解とイラストでよくわかる 離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』(角川SSCムック)より知っておきたいこと&聞きたいことを抜粋してお届けします。
【前回】たまにしか顔を出せない...気を付けたい子どもの言動/離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本
【最初から読む】月額平均約7.5万円!? 家族が賄う親の介護費用/離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本
介護離職はせずに「辞めない介護」の道を探ろう
介護の主な担い手は配偶者
別居家族が介護する場合も
ある程度の年齢になると「もし自分の親が倒れたら......」という不安はつきものです。
親が要介護認定を受けた場合には、たいていは体のどこかが不自由になり、判断力も下がっているため、日常生活を1人で送ることは難しくなります。
その際に在宅で介護をする人は誰なのでしょうか?
下の円グラフを見ると、介護の担い手として最も多いのは同居の配偶者であることがわかります。
つまり、父や母が倒れたら、その連れ合いが面倒を見るのが一般的と言えます。
また、子ども夫婦が同居している場合には、子ども夫婦が介護をサポートするケースも多く見られます。
その一方で、親の介護を別居の家族が担っている割合も約14%いるのも見逃せません。
別居していると介護はできないと決めつけている人もいるかもしれませんが、必ずしもそうではないことがわかります。
主な介護人はまず「配偶者」、次に「同居の子ども」です
出典:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査」の概況
主に介護している人の半分近くは子ども世代です
【ポイント!】
子どもが男性の場合、その配偶者が介護するイメージがありますが、そうした傾向はなくなりつつあり、実子が親を介護するケースが主流です
介護のために離職すると精神的な負担が増すことも
年老いた親同士で介護をする老老介護は、体力的にも精神的にもとてもきついもの。
子どものサポートが不可欠となります。
家族みんなで協力し合うことや、外部の手を借りるなど工夫しながら、子ども側からも介護に積極的に参加しましょう。
親が1人になって子どもが介護役のメインになるときの準備になります。
親が在宅介護を希望している場合、仕事を辞めて介護に専念するべきと考える人もいるかもしれませんが、必ずしも得策とは言い切れません。
介護離職した人の負担感の変化を見てみると(下グラフ)経済面での負担はもちろん、精神面や肉体面での負担も増したという結果が見られます。
介護離職をすると、経済的な不安感や社会生活と離れてしまった孤立から生まれるストレスなどが増えることもあります。
働き方を工夫し、外部サービスをうまく利用しながら、「辞めない介護」を検討することを視野に入れましょう。
介護のために仕事を辞めた人は経済面だけでなく精神面の負担も!
介護を理由に離職した人の負担感の変化は?
出典:「平成24年度 仕事と介護の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」(厚生労働省委託調査)
精神面の負担が増したと答えた人は64.9%もいます
【ポイント!】
外部サービスの利用をメインにすることや、家族みんなで協力し合うことで介護と仕事の両立を目指そう
《主な介護者は40~59歳で25%超いる》
下のグラフは、介護をしている人の年齢の割合を男女別で示したものです。
このグラフを見ると、介護する側はもちろん高齢者が多く、男女ともに70歳以上が40%を超える割合を占めています。
その一方で40~59歳の介護者は、男女ともに25%超えることも見逃せません。
子ども世代が介護者のことも多いです。
出典:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
【次回】自分の老後は? 55歳で「介護離職」の悲惨な末路/離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本
【まとめ】「離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本」記事リスト
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