ほとんどが親と別居している今の40~60代。働き盛り&子育て真っ最中なのに、突然、親に介護が必要になったらどうすればいい? 介護の制度やお金のことなどがわかるガイドブック『図解とイラストでよくわかる 離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』(角川SSCムック)より知っておきたいこと&聞きたいことを抜粋してお届けします。
【前回】月額平均約7.5万円!? 家族が賄う親の介護費用/離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本
いつまでも元気だと思っていた親に突然介護が必要になることは誰にでも起こり得ることです。
その時が来ても慌てないように介護制度やサービスなどの基本を知ることから始めましょう。
ゆらりゆうらの「ヘルパーは見た」
介護はこうして始まる
数々の「ある日介護が始まった」現場を目撃しているゆらりさん。
子どもにとっては「突然」でも、実際は少しずつ進行しているのに、離れているから気づかないだけとも。
1.同じものばかり買う母
●やったことをすぐ忘れる
同じ物を買い集めるのは認知症の典型例
遠くに離れていると、親の不可解な行動や言動にはなかなか気づかない。
それでも、その芽を発見して、衝撃を受ける子どもも。
久しぶりに母のいる実家を訪ねたAさん。
いつもと変わらず元気そうで会話もはずみ、「いつもと変わりないわ」とふと冷蔵庫を見ると......。
冷蔵庫いっぱいに豆腐がズラリ。
同じものばかり買ってくるのは認知症の初期段階。
やったことをすぐ忘れるために、「それがないと大変だ」と思っているものを溜めてしまう。
ふりかけ、サラダ油などなぜか食べ物が多いとか。
2.迷子になる父
●来た道がわからなくなる認知症
徘徊するなと叱りつけるのはダメ
家から散歩に出かけた父。
なぜか帰り道がわからなくなり、ウロウロしているところを警察に保護される。
これが2回目と警察から遠くに離れて暮らす子どもに電話が。
慌てて家に駆けつけたときは、家でケロリとテレビを見ていたりするものだ。
認知症は、一番手前の記憶からなくなるため、今歩いてきた道がわからなくなり迷子になってしまうことも。
逆に、最後まで子どものときのことは覚えていたりするのだ。
出かけるなとか叱りつけたりせず、GPS探知機を持たせるなどの手立てもあるので、優しく見守ろう。
3.最後まで家で暮らしたい
●本人が自宅介護を望むなら、とりあえずやってみてから考える
脳梗塞で入院。
退院時も体の半分にマヒが残ってしまった父。
歩くのもおぼつかないのに、自宅で待っていた子ども2人に「俺はここで、一人で暮らすんだ」とてこでも動かない様子。
施設に入居してもらおうとやってきた子どもたちは当惑してしまう。
介護は本人の希望を重視することが大切。
昼間はデイサービスですごし、訪問介護を組み合わせることで、とりあえず、本人の希望に沿った介護をしてみるのも手。
どうしても難しそうだったら、本人納得のうえ、施設入居を考えよう。
※上記のエピソードに登場する人物・施設は全て架空のキャラクターでありフィクションです
■ゆらりゆうらさん
アラフィフ専業主婦から介護の世界に就職。現役介護福祉士として働きつつ、「もしかして認知入ってる?」同居義母ともバトルを繰り返す。毎日のエピソードを綴ったブログマンガ「ヘルパーおかん。」が大人気。
【次回】見逃してしまう「介護の芽」。始まりは3タイプ/離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本
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