床暖房は?キッチンはいくらでできる?チラシにまどわされない「リフォーム費用の目安一覧」

家にいる時間が長くなって、老後のことも考えると頭に浮かんでくる「自宅のリフォーム」。とはいえ、いったい何から始めればいいのか...となかなか手を付けられませんよね。そこで、6万件以上の実績を持つリフォーム会社社長の著書『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』(二宮生憲/あさ出版)から、後悔しないために知っておきたい「リフォームのポイント」をお届けします。

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自分たちの家計から現実的に決める

使える金額を決めることは大事です。

リフォームしたいところはいろいろあっても、予算がなければ先に進めません。

相談にみえる方の多くは、先にも書きましたが、当初は夢がふくらんで、あそこもここも、できればついでにここも......と、気になる箇所をいっぺんに全部リフォームしたいと思ってしまいます。

その結果、最初の見積りで、大きな金額になってしまい、ビックリされる方がほとんどです。

一般的にお客様はチラシの安い部分だけを見て、ご自分で計算されます。

しかしチラシで目立たせている価格は、だいたい特価品がベースで、商品ランクを落として表示している例もあります。

たとえば給湯器付き風呂釜の場合、普通の家庭では24号が通常なのに、安い印象をもってもらいたいため、16号や20号タイプを載せる会社もあります。

したがってチラシの額で予算を組んでいたらたいへんなことになってしまいます。

リフォームは工事の範囲や内容によって金額が大きく変わってきます。

たとえばキッチンのリフォームの場合は、壁付けだったキッチンを対面式に変更する場合と、壁付けタイプのまま、キッチンだけを取り換える工事とではかかってくる費用が大きく違います。

賢いやり方は、「使える予算はこれだけ」「やりたいことはこれだけ」と現実に可能なことを全部出して相談に乗ってもらうことです。

では実際どのくらい予算をみればよいのか、いちばん気になるところだと思います。

大幅な値引きをするのはおかしいと考える

また「実際に依頼をする会社を検討しているときに、いちばん怖いこと。それは同じ製品ならできるだけ安いところにお願いしよう」という方向で動いてしまうことです。

「安い」には理由があります。

一般的にきちんとしたリフォーム会社なら、決して高すぎず、適正な金額で見積りを出しているはずです。

最初の見積りから大きく値引きをすることや、他社の半額になるなどあり得ないのです。

とくに問題になっているケースが多い外壁塗装の訪問販売では、「今なら100万円引きます」「今日契約してくれれば足場代をタダにします」などと、考えられないことを平気で言う会社もいます。

そういう会社は、最初から見積りに値引き分を加算していたり、見積りに詳細を明記せず、工事の際に「3回塗りをするところ、2回塗りにする」「塗料のランクを落とす」など、いくらでも手を抜いた工事をされる可能性があり心配です。

良心的なリフォーム会社は、そんないい加減な見積りの出し方はしません。

通常は見積りを出して、大幅な値引きをするのはおかしいと考えたほうがよいでしょう。

予算に合わせてできることを親身に相談に乗ってくれる会社にお願いするのがいちばんです。

「いったいいくらかかるんだろう?」

金額はいちばん気になるところですね。

予算をたてて相談してみましょう。

リフォームにかかるおおよその費用目安

場所:①床暖房

工事内容:6畳用の洋室に温水式の床暖房を設置

概算費用:50万~80万円

場所:②トイレ

工事内容:便器・便座(温水洗浄便座)を交換し、内装を一新

概算費用:20万~60万円

場所:③浴室

工事内容:在来浴室からシステムバスに交換

概算費用:100〜120万円

場所:④洗面所

工事内容:洗面化粧台を交換し、内装を一新

概算費用:30〜50万円

場所:⑤キッチン

工事内容:キッチンを交換し、内装を一新

概算費用:80〜150万円

場所:⑥LDK

工事内容:壁付式キッチンを対面式キッチンに交換し、LDK(30m2程度)の内装を一新

概算費用:200〜300万円

場所:⑦内窓の設置

工事内容:既存サッシの内側に内窓を設置

概算費用:5〜15万円

場所:⑧壁面収納

工事内容:設置幅350mm程度で天井(天井高2400mm程度)までの収納

概算費用:40〜80万円

場所:⑨壁紙の貼り替え

工事内容:6畳洋室の壁と天井のクロスを貼り替え

概算費用:5〜8万円

場所:⑩床の張り替え

工事内容:6畳洋室のカーペットをフローリングに張り替え

概算費用:10〜20万円

場所:⑪畳からフローリングに

工事内容:6畳和室の畳をフローリング張りに

概算費用:15〜25万円

場所:⑫塗り壁にする

工事内容:6畳洋室の壁・天井を珪藻土(けいそうど)で仕上げる

概算費用:15万~25万円

場所:⑬和室から洋室に

工事内容:6畳の和室(真壁)を洋室(大壁)に変え、押し入れをクローゼットに

概算費用:80〜120万円

場所:⑭給湯器交換

工事内容:戸建ての24号壁掛け給湯器の交換

概算費用:20〜35万円

場所:⑮玄関ドアの交換

工事内容:木製の玄関ドアをアルミ製の玄関ドアに交換

概算費用:35〜60万円

場所:⑯外部塗装

工事内容:一戸建て(延床30坪程度)の屋根・外壁の塗り替え

概算費用:120〜180万円

場所:⑰屋根葺き替え

工事内容:屋根葺き替え一戸建て(延床30坪程度)スレート屋根の葺き替え

概算費用:150〜250万円

場所:⑱耐震補強

工事内容:木造一戸建て(延床30坪程度)の耐震補強工事

概算費用:200〜500万円

場所:⑲全面リフォーム(マンション)

工事内容:70m2程度の全面リフォーム

概算費用:600〜850万円

場所:⑳全面リフォーム(戸建て)

工事内容:木造一戸建て(延床30坪程度)の全面リフォーム

概算費用:1000〜2000万円

[全体の解説]

以上が、材料費・工事費を含めた主なリフォームにかかる費用。

基本プランの費用になるため、商品のグレードで金額は大きく変わることに注意する。

【最初から読む】プロが教える「自宅リフォーム」のこと

【まとめ読み】『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』記事リストはこちら!

床暖房は?キッチンはいくらでできる?チラシにまどわされない「リフォーム費用の目安一覧」 069-H1-jyutaku.jpg全6章にわたって、自宅のリフォームをするために確認した方がいい「27個の質問と答え」がまとめられています

 

二宮生憲(にのみや・たかのり)
1947年、愛媛県生まれ。株式会社さくら住宅代表取締役。1969年法政大学法学部卒業。卒業後、ミサワホームに入社。その後、注文住宅の会社を設立。1997年にさくら住宅設立。現在、一般社団法人全国リフォーム合同会議理事長。人を大切にする経営学会副会長・関東支部長。千葉商科大学特命教授。経営姿勢に関する講演多数。本書が初の著作。

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『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』

(二宮生憲/あさ出版)

会社選びのポイントから、見積り依頼の方法、施工時に注意点など、失敗しないリフォームが体系的に学べる入門書。リフォーム会社の営業担当者に聞くべき内容が、27個の質問でわかりやすくまとめられています。
●株式会社さくら住宅

※この記事は『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』(二宮生憲/あさ出版)からの抜粋です。
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