家にいる時間が長くなって、老後のことも考えると頭に浮かんでくる「自宅のリフォーム」。とはいえ、いったい何から始めればいいのか...となかなか手を付けられませんよね。そこで、6万件以上の実績を持つリフォーム会社社長の著書『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』(二宮生憲/あさ出版)から、後悔しないために知っておきたい「リフォームのポイント」をお届けします。
工事がともなうので「安さだけ」は追求できない
できるだけよいものを安く買いたい......とは誰でもが思うことです。
全く同じ商品であれば、少しでも安いほうがよいかもしれません。
しかし、建築業界にはこの理屈はあてはまりません。
以前、新聞やテレビで毎日のように報道されていたマンションの耐震偽装の問題では、購入者も「同じ広さで他よりも10~20%近く安かったので買った」という方が多いと報道されていました。
「できる限り安く」という気持ちが先行し高いのは損という意識があったのではないでしょうか。
これは、同じ建設業界として弊社のリフォーム業界も考えさせられる事件でした。
工事がともなうもので「安いほうがよい」では、必ずどこかにヒズミが出てくるので危険と考えなければなりません。
「安ければ何でもよい」という風潮はとても危険
たとえば大工さんが3日かかる工事を、安くするために2日に減らせば、工事費が1日分安くなります。
そのため、どこか工事に雑な部分や、見落としが出る等、結局はお客様にご迷惑をおかけする結果になることが予想されます。
その他にも、とくに水廻りに関する場所では、古い配管をそのままにするとか、土台や柱に問題があってもそのままにして上から隠してしまうとか......。
「とにかく安く請け負ったのだから、手間を省こう、早く工事を終わらせよう」と、いわば臭い物にはすべてフタをしてしまいかねません。
どうしてこんな値段で工事ができるのだろうかと思うようなチラシが氾濫しています。
安ければ何でもよいという風潮はとても危険です。
消費者(施主)の方たちも価格だけで判断することは、そろそろやめる時期にきているのではないでしょうか。
メーカーが推薦する会社リストから選ぶのも手
大切な住まいをこれからもずっと快適に暮らすためのリフォーム。
「安いから」で会社を決めると、安心できる工事は望めない場合が多いのです。
とにかく信頼できるリフォーム会社を選ぶこと。
リフォームした経験のある友人知人に相談して紹介された会社に頼んだり、メーカーのショールームでそのメーカーが推薦する会社のリスト(必ずあります)をもらったほうが、よりいっそう安心できると思います。
たとえば、メーカーの推薦する会社リストから選んで工事を依頼した場合、何かクレームにつながるような問題が発生すれば、その会社は次回のリストから外されます。
そのため、その会社はより慎重に説明をし、きちんとお客様に納得していただいたうえで工事を進めることになります。
むやみに相見積りをとらない
さらに言えることは、いちばん安い会社を探すために見積りをたくさん取ることに時間を割くよりも、自分がこうと思った一社(検討している会社、口コミで評判のよいところ、メーカー推薦の会社)と徹底的に話し合って決めたほうがよい結果が出るということです。
皆さんが各会社の担当者だったらと考えてみてください。
自分を信頼していろいろと相談してくれれば、一生懸命に応えてあげたいと思いませんか。
それは誰でも納得のいくところでしょう。
また依頼する会社を決めるのは自己責任。
徹底してその会社のことを調べることも大事です。
どのような工事が得意で、どのようなシステムで、どのようなメーカーとの結びつきが深いのか......。
自分なりに確認し、納得してから頼むのも重要なのです。
建築の場合は、結局すべては人が動いて工事を進めます。
安くてよいものはないという前提に立って考えるのが自然なのです。
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全6章にわたって、自宅のリフォームをするために確認した方がいい「27個の質問と答え」がまとめられています