家にいる時間が長くなって、老後のことも考えると頭に浮かんでくる「自宅のリフォーム」。とはいえ、いったい何から始めればいいのか...となかなか手を付けられませんよね。そこで、6万件以上の実績を持つリフォーム会社社長の著書『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』(二宮生憲/あさ出版)から、後悔しないために知っておきたい「リフォームのポイント」をお届けします。
自宅ならご自分のペースで好きなように過ごせる
定年になったり、その年齢に近づいてきたりすると、これからの生き方や生活の仕方を考えられるのではないでしょうか。
そして収入のことを含め、どう生活をしていくのが快適か......。
このまま今の家に住み続けるか、違う場所に移るか、選択肢もいろいろあり、悩むところです。
ご相談をいただくお客様を見ていると、最近は慣れ親しんだ今の住まいに住み続ける選択をされる方が多くなってきたように思います。
ご近所とも長いリフォームを始める前からのお付き合いでしょうから、お互いに頼れる存在でもあります。
なによりもご自分のペースで好きなように過ごせる自宅で暮らす快適さは、老後の精神的な安心感につながるのかもしれません。
今の住まいに住み続けることに決めたら、次に「部屋をどう使うか」を考えます。
まずはヒートショック対策を万全にする
子どもたちが独立したあとに、日当たりのよい子ども部屋が今は物置になっていませんか?
扉がきちんと閉まらなくて困っていませんか?
住まいにおいて日々不満や不便を我慢しながら生活していませんか?
これを機に解決されるのがタイミングとしてはよいのかもしれません。
たとえば「ヒートショック」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。
昔ながらのタイル貼りの浴室は、冬場はとても寒い。
洗面・浴室と湯船の中との温度差から、体への負担が大きく、急死の原因の一つとして問題になっています。
少しの間の我慢と思って、寒い浴室のままにしていないでしょうか。
浴室でのヒートショックや滑りやすいタイルなど、体への負担や危険はできるだけ避けたいものです。
今時のシステムバスはスイッチ一つでお湯が溜まります。
保温性の高い浴槽なら沸かし直しの回数も減らせます。
クッション性のある床材は、乾きやすく足を滑らせる危険も少なくなっています。
浴室暖房乾燥機を入れれば、浴室を事前に暖かくすることで急激な温度差を避けることができます。
なによりも、ゆっくりと湯船に浸かり、一日の疲れを取り、毎日のお風呂タイムを楽しんでいただけます。
リフォームで、怪我や病気にならずに済み、寝たきりや車椅子の生活を避けることができるかもしれません。
定年後に家族が集まるために、間仕切りのない広々としたキッチン&リビングダイニングを希望される方が増えています。
バリアフリー対応もよしあし
他に体に負担の少ない家とはどんな家でしょうか。
テレビや雑誌などでは、お部屋の段差を解消し、玄関やトイレに手すりをつけるなど「バリアフリーのお部屋にしましょう」とすすめているのをよく見かけます。
本当に「バリアフリー」が必要でしょうか。
いくら家の中をバリアフリーにしても、一歩外に出てみると段差だらけ。
バリアフリーに慣れてしまうと、足腰の筋肉が弱ってしまい、足が上がらなくなってつまずいたりころんだりします。
注意力もなくなってしまいます。
お元気なうちは自分の足腰を鍛える意味でも、むやみにバリアフリーにする必要はないのではないでしょうか。
家は生きています。
きちんと手入れをすれば長持ちします。
きれいに片付いて掃除が行き届いたお部屋で暮らせば、体や心に与える影響は大きく違うはずです。
「友人や家族、近所の人たちが集う家にする」
「趣味の部屋を作る」
「掃除や片付けのしやすい家にする」
......人生が明るく楽しくなるように、長年住み慣れた住まいを見直すことも必要です。
【まとめ読み】『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』記事リストはこちら!
全6章にわたって、自宅のリフォームをするために確認した方がいい「27個の質問と答え」がまとめられています