家にいる時間が長くなって、老後のことも考えると頭に浮かんでくる「自宅のリフォーム」。とはいえ、いったい何から始めればいいのか...となかなか手を付けられませんよね。そこで、6万件以上の実績を持つリフォーム会社社長の著書『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』(二宮生憲/あさ出版)から、後悔しないために知っておきたい「リフォームのポイント」をお届けします。
最初の打ち合わせで、リフォーム会社に希望をしっかり伝える
リフォームの相談後、リフォーム会社は現地調査を行います(工事内容にもよりますが)。
ある程度の規模の工事の場合、見積書の他にわかりやすいように図面やパースを描いてもらえます。
最初の打ち合わせで、リフォーム会社に希望をしっかり伝えることが大事です。
リフォーム会社に、まず計画の場所の状態や状況を調査してもらいます。
経年劣化をしている場合はこの際きちんと補修や交換をしたほうがよいでしょう。
平面図や展開図があればより安心
図面に載せる内容について、トイレの改装工事を例に説明いたします。
図面は工事の項目が多くなる場合に作成します。
便器をトイレの空間にどのように配置するかなどを記入したものが平面図・展開図になります。
新しい便器に変えると、商品によって縦と横の寸法が多少ですが違ってきます。
今までよりも前に出たり後退したりする位置を書き込みます。
ドアの開き勝手も内開きでしたら、この機会に外開きに変えるのが理想ですので図面に反映させます。
そしてほとんどの場合、前の便器の跡が出るので床材の取り替えが必要になります。
またその頃には壁紙も汚れて劣化していますので、一緒に貼り替えます。
タオル掛けやペーパーホルダー・天井の照明器具も取り換え時です。
場合によっては手すりを付けたり手洗いコーナーを別に設けたり、窓を断熱仕様にする場合もあります。
この内容をすべて図面に書き込みます。
こうすればお客様はイメージしやすく安心です。
会社によってはパースだけを提出するところもあるようですが、それではわかりにくいのではないでしょうか。
<トイレ平面図>
<イメージ写真>
こちらは、空間をより広く見せるために、タンク式便器を超節水型のタンクレス仕様に。
カウンター式の洗面ボウルを新設し、ホテルのようなレストルームを目指しました。
リフォームだからこそ図面が必要
リフォームに図面が必要であると思う方は少ないのではないでしょうか。
何もないところに作っていく新築は工事が見えているだけに、わかりやすい。
しかし、すでに完成されているところに手を入れるリフォームは見えない部分を予測しながらの作業で、難しいのです。
残した部分と新しくする部分のつなぎ目(取り合い部分)をいかに自然に見せるかは腕の見せ所でもあり、ベテランの職人と知識のある現場監督が欠かせません。
仮に新築時の図面があった場合でも必ずしも図面通りになっていないことが往々にしてあります。
天井を剥がすと図面にはあるはずがない梁(はり)が出てきたり、柱が入っていなかったりで、こんなことは珍しいことではありません。
リフォームは本当に解体してみなければわからないとつくづく思います。
図面が作れるのはそれだけの建築知識があるから
たとえば浴室の工事では洗面所との境の土台が、腐っていることが多いのですが、解体してみなければ実際のところはわかりません。
かといって、腐食をしていないこともあります。
床下から見ても見えない部分がどんなことになっているのか、湿気で構造材が腐っていたり、白アリがいたり、腐食がどこまで進んでいるかは実際に床や壁を壊さなければわかりません。
リフォームは建築そのものです。
深い知識と経験が必要な仕事なのです。
建築はお客様の命と健康を守る仕事でもあります。
しっかりした会社は構造上必要な箇所の補修・交換など、丁寧に構造チェックをして工事をします。
知識がないリフォーム会社に工事をまかせると、家の安全を考慮した工事をしてくれるかどうか、不安になります。
ではどんな会社を探せばよいのか。
建設業の許可や建築事務所登録をしている。
建築の資格(たとえば建築士・建築施工管理技士など)を所持しているスタッフがたくさんいる。
こんな会社は、構造や法令・建築基準法などを遵守していることでしょう。
その他、耐震診断士・ホームインスペクター・インテリアコーディネーターなどがいればある程度、安心といえます。
図面を作るということはそれだけの建築知識がなければできません。
図面を見ることで、初めてリフォームする方でもある程度、自分で行うリフォームのイメージがつかめます。
図面を作成してもらうことはよいリフォームにつながるのです。
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全6章にわたって、自宅のリフォームをするために確認した方がいい「27個の質問と答え」がまとめられています