助けてもらう?自分でやる? 人に頼るときの境界線は「今、私はハッピーか」

家族や友達、仕事仲間に頼み事をすると、「何だか悪いな」と思うことありますよね?でも、実は人に頼ることで「人とつながる」と、一人ではできないことに挑戦できたり、ワクワクできたり、自分にも周りにもいいことが起こるそうです。今回は、「人の助けを受け入れる力=受援力」の重要性を説く医師・吉田穂波さんの著書『「つらいのに頼れない」が消える本―受援力を身につける』(あさ出版)から、「人に頼るときの心構えと方法」について連載形式でお届けします。

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頼っていいときと悪いときの境界線はどこ?

「よし、これからは積極的に人に頼ろう!でも、自分が頼っていいかどうか、どこで線引きをしたらいいのかがわからない......」

そんな疑問を持つ人もいると思います。人に頼ることはとてもいいことですが、だからと言って、なんでもかんでも、むやみやたらに人に頼ることが、受援力とは言えません。

では、どんなときに人に頼ってよく、どんなときに人に頼るべきではないのでしょうか。

世の中に万人共通の明確な境界線があるわけではありません。そのため、どんなときに人の助けが必要なのか、自分でいくつかの基準をつくっておくことをおすすめします。たとえば、こんな基準をつくってみるのはいかがでしょうか?

リミットを決める

何かわからないことがあったとき、周りが忙しそうにしていると、いきなり聞くのは気が引けるときがあります。私はそんなとき、5分間や10分間とタイムリミットを決めて自分で調べてみて、それでも見つからなければ周囲の人に質問するようにしています。

時間が決まっていないといつまでもズルズルと考え込んでしまい、その時間のロスがあなたを追い込んでしまうことになりかねません。

悩む時間の上限が決まっていると、これ以上は迷えない、もう十分悩んだと早めに見切りをつけることができますし、自分で少しでも努力してみたことで、何がわからないのか、どのサイトにも載っていないのかがわかり頼ることへの抵抗が和らぎます。

5分でも1時間でも構いませんが、短めに設定すると物事が早く進みます。取り組んでいること、頼りたいことの規模や自分の事情に合わせて、孤軍奮闘する時間のリミットをいろいろ変えて試してみるといいでしょう。

解決までの段階をリスト化する

たとえば、その日のうちに提出したい書類があるけれど、ルールが少し複雑だったとします。それなら、完成までのステップを細かな段階に分けてみましょう。

まずはマニュアルを見る、過去の同じ書類を探してみるなどして、それでもわからなければ人に聞いてみる、という3つのステップを書き出します。

人に聞くときも、先に誰に聞き、それでもわからなければ、次に○○さんに、最後には......など、より細かいステップを組み立ててもいいでしょう。

そして、それぞれにかける時間についても目安を書いておきます。頼ることに及び腰になる気持ちはわかります。でも、細分化されたステップがあれば、一つひとつの段階を踏んでそれでもできなければ頼ってもいいと自分にOKを出すことができ、頼ることへのハードルが低くなります。

自分のキャパシティをオーバーしていないか考える

責任感や使命感が強い人は、自分が役割を果たすことや、仕事を最後までまっとうすることを重視する傾向があります。抱えているのが適切な量であれば、途中で投げ出さないほうが自分の力がつきますが、それはあくまでも適切な量なら、です。

仕事に慣れてくれば、スピードが速くなったり、こなせる量が増えたりしますが、それでもやはり個人ができることのキャパシティには限度があります。最初は順調に進んでいたものでも、途中で負担が重くなったなと感じたら、それは人に頼るべきタイミングです。

また、予測しないトラブルが起こったときや、結婚、出産、子育てや介護などで環境に変化が起こり、それまではできていたことができなくなったときも、誰かに頼るタイミングだと判断していいでしょう。

心に余裕があるかどうかを考える

日々、慌ただしく過ごしていると、つい、自分を気にかける時間を後回しにしがちです。そんなとき、私ははじめての妊婦生活と出産を体験したドイツで、不安でいっぱいだったときに助産師さんから言われた言葉を、思い出します。

妊娠中に旅行をしてもいいのか、靴はどんなものを履けばいいのかといった、ささいなことから仕事に与える影響まで、不安なことがあれば、いつも、この助産師さんに相談していました。

そのとき言われたのが、「大切なのはあなたがハッピーかどうかよ。お母さんがハッピーなことが、赤ちゃんには一番重要なの」というアドバイスでした。

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私は、今も時々立ち止まっては心の中で「今の私はハッピーだろうか。心が満たされて、余裕がある状態だろうか」と問いかけています。

そして自分で粘るか、人に頼るかどうかを決めるときも、自分がハッピーであるかどうかを基準にしています。

皆さんも何か、心に引っかかっているものがあれば、スッキリさせたいと思うのではないでしょうか?

それは、重い問題だけとはかぎりません。とてもささいなことでも、小さな気がかりでも、エネルギーを消耗し、心から余裕を奪うことがあるからです。自分の心がイライラ、モヤモヤしているときは、黄信号が灯っているのです。

自分は楽しいかな?ワクワク取り組めているかな?と自分に問いかけて、「?」が湧いたら、まずレベル7のトレーニングに戻って、ストレスに対処します。そして、ここぞとばかり積極的に人の力を借りましょう。

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人に頼る力を身に付けたいなら「つらいのに頼れないが消える本」記事リストはこちら!

045-syoei-tsurai.jpg人に助けを求めることにはどんなメリットがあるのか?基礎知識から受援力が身に付くトレーニング法までを全4章で紹介。自分の性格や考え方の傾向が分かるチェックシートも

 

吉田穂波(よしだ・ほなみ)

医師。医学博士。公衆衛生学修士。4女2男の母。ドイツとイギリスで産婦人科及び総合診療の臨床研修を行い、帰国後は女性総合外来の創設期に参画。現在、公衆衛生大学院における人材育成や臨床、研究の傍ら、「受援力」を学ぶ場作りに取り組み、国の検討会や自治体研修をはじめ多数の講演を行う。

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『つらいのに頼れない」が消える本―受援力を身につける』

(吉田穂波/あさ出版)

同僚や友人に何かを頼むとき、「申し訳ないな」「迷惑じゃないかな」と考えてしまう人は、ちょっぴり損してるかも!?実は「人に頼る」ことは、あなたや周囲を幸せにする力があるんです。子育て、留学、震災を通して人に頼る力=「受援力」の大切さを実感した医師が、自らの経験をもとに実践的なトレーニング法を解説!

※この記事は『「つらいのに頼れない」が消える本―受援力を身につける』(吉田穂波/あさ出版)からの抜粋です。

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