「自筆証書遺言」なら費用を抑えられる
ところで、ひと口に遺言書といっても「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類あります。
後者の二つは立会人と公証人への依頼が必要で、費用と手間がかかります。しかし、「自筆証書遺言」は自分で書くだけですので、費用をかけずに作成できます。
とはいうものの、自筆証書遺言には、自分で保管しなければならない、様式を間違うと無効になってしまう、死後に家庭裁判所の検認を受けなければならない、などの手間がありました。
ところが、近年になって遺言関係の法律が改正・追加され、これらの面倒を回避できるようになったのです。
まず「自筆証書遺言の方式緩和」が施行され、財産目録に限りパソコンでの出力や通帳のコピー、不動産の登記事項証明書などの添付で許されるようになりました。
また、「遺言書保管法」の成立によって、自筆証書遺言は法務局で保管してもらえるようになりました。しかも、法務局に保管を依頼する際に遺言書保管官が遺言書の様式が法務省令に則っているかどうかを確認してくれるので、不備で遺言が無効になることは避けられるし、家庭裁判所の検証も受ける必要がなくなります。
最近は「遺言書キット」も販売されています。それを利用すれば、遺言書を残すのも、以前よりずっとラクになるでしょう。