日本人の一生涯にかかる医療費は2700万円程度といわれています(厚生労働省調べ)。そしてこの生涯医療費の50%は、なんと70歳以降にかかってくるということをご存知でしたか?
生涯医療費を少しでも減らすために、病気は早いうちにみつけるのが一番です。医療費の負担を賢く節約する方法をファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんに伺いました。
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会社に勤めていれば、勤務先の健康診断を受けることになります。一方、定年を迎えた人が、最も身近で手軽に受けられるのが自治体の健診・検診です。例えば、東京都内のある区の区民健診の概要によると、2018年度の受診期間は、2018年6月1日から2019年2月28日までの9カ月間と長期間にわたっています。
基本健診の自己負担金は500円です
基本健診の内容は、問診、身体診察、身体計測(身長・体重・腹囲)、血圧測定、尿検査、血液検査、心電図、胸部エックス線検査、貧血検査、眼底検査です。対象者は、35歳から39歳の区民や、40歳から74歳までの国民健康保険加入者、そして後期高齢者医療被保険者証を持っている人などです。自己負担金は500円で毎年受けることが可能です。他に、2年に1回の乳がん検診や胃がん検診、毎年の大腸がん検診、成人歯科健診などが200円から1000円の自己負担金で受診できます。
千葉県千葉市では人間ドックの検診費用の5割を助成しています
他にも、人間ドックの助成を行っている自治体があります。例えば、千葉県千葉市では一日人間ドックや脳ドックを行っています。人間ドックの検診費用3万6000円の5割を助成しているので、自己負担金は1万8000円です。埼玉県蕨市では、人間ドックや脳ドック以外に、がんを検査するPET(ペット)検診の受診費用の一部を補助しています。補助金額は2万円です。PET検診の費用の目安は10 万円前後なので、8万円前後で利用できることになります。
このように「自治体は健診費用を助成し、病気予防にお金を使うことで医療費を抑える仕組み作りをしています」と畠中さんは話します。
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取材・文/金野和子